タンジュークア
| 分 類 | ベトナム伝承 |
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Thần Giữ Của (タンジュークア)《財宝の守護神》【ベトナム語】 | |
| 容 姿 | 女性の幽霊。 |
| 特 徴 | 埋蔵の際に生きたまま埋められ、その後、地縛霊となって財宝を守護する。 |
| 出 典 | - |
生き埋めにされた地縛霊、財宝を守護する!?
タンジュークアはベトナムにおける地縛霊の一種で、財宝を守護している。ベトナムの民間伝承では、財宝を埋蔵する際に、若い処女を人身御供にして財宝の番をさせる習慣があった。財宝を埋めるときに、一緒に女性を生きたまま棺に入れて呪術を掛けて、埋めてしまう。そうすると、その女性の霊は地縛霊となって、永遠にその財宝を守護してくれるわけである。
あわやタンジュークアになるところを救われる!?
あやうくタンジュークアにされそうになった美しい女性が徴姉妹(ハイバチュン)によって救われ、彼女の軍勢の女将軍になったという伝説が残されている。徴姉妹というのは、北ベトナムが後漢に支配されていた時代に、反乱を起こし、鎮圧された歴史上の人物である。
約100年続いた南越国が紀元前111年に前漢によって滅ぼされ、現在のハノイ近郊に交趾郡が設置された。その後、後漢の時代になって、徴税を巡って徴姉妹は反乱を起こした。交趾郡の太守だった蘇定を追放することには成功したが、最終的にはこの反乱は後漢によって鎮圧され、徴姉妹は斬首された。
徴姉妹の行軍中、怪しげな中国人の一団に遭遇した。徴姉妹が偵察兵を送ると、一団はまさに財宝を埋めて、1人の美しい女性を生贄に捧げようとしているところだった。徴姉妹は一団を包囲して彼らを捕らえ、女性を救い出した。彼女は徴姉妹に感謝し、その後、軍に加わって女将軍として後漢と激しく戦ったと伝えられている。
機転を利かせて助かった!?
唐が滅亡し、五代十国時代の混乱の中、938年、呉権(ゴ・クエン)が白藤江の戦いで南漢を打ち破ってベトナムの独立と自治を取り戻した。このとき、多くの漢民族が自国へと引き上げていったが、逃亡生活の中で、多くの財宝が埋められたという。このため、各地で処女が買い集められ、タンジュークアにされたという伝承が残されている。
その中で、ある貧しい家族のところにも中国人がやってきて、娘を買い求めた。父親は中国人の企みを分かってはいたが、泣く泣く娘を売った。その際、父親は1袋の胡麻を娘に隠し持たせた。娘を買った男は彼女を精進料理で手厚くもてなしたが、決して彼女と床に入ることはなかった。そして、ある日、娘は輿に載せられてどこかへ連れていかれた。娘は機転を利かせ、移動する道中、隠し持っていた胡麻を撒いた。到着すると、娘は生きたまま棺に寝かされた。壷や瓶が規則的に並べられ、一晩中、儀式が執り行われ、その後、棺の蓋が閉じられ、棺ごと埋められた。
約1か月後、胡麻が芽を出し、家族は娘の足取りを辿った。終点で一際、青々と茂る胡麻の木が生えていて、家族はそこを掘り起こした。彼女はまだ生きており、家族は財宝も手に入れることができたという。
徴姉妹の伝説でも、呉権時代の民話でも、中国人の呪法のようなイメージで描かれているが、実際にはベトナム人の富豪や貴族が人身御供の儀式をして財宝を守護させようとした伝承も多く残されているようだ。ベトナムでは中国に支配されてきた歴史があり、中国から風水や道教などのさまざまな儀式を取り込んできた経緯もあって、しばしば「中国人が持ち込んだ呪法」という描かれ方をすることが多い。
《参考文献》
- 『Ma Quỷ Dân Gian Ký』(著:Duy Văn,Linh Lan Books,2022年)(ベトナム語)
Last update: 2026/09/23
