カバウター

分 類ヨーロッパ伝承(オランダ伝承)
名 称 Kabouter(カバウター)【オランダ語】
容 姿尖がり帽子をかぶった小人。
特 徴牛乳やパンのお礼で、夜の間に家事を手伝ってくれる。いたずらもする。
出 典『カバウターの生活と仕事』(1976年)

オランダのいたずら妖精!?

カバウターはオランダ伝承の小人である。イングランドのホブゴブリンやスコットランドのブラウニー、アイルランドのレプラホーンなどに似た性質を持つが、最近は土の精霊ノームの仲間としても知られる。

カバウターは身長10~15センチメートル程度の小人で、あごひげをはやし、緑色や赤色のとんがり帽子をかぶっている。森や荒野などに棲み、しばしば王国を築いていると信じられている。近年は地中に棲むとも言われている。夜になると人里にやってきて乳しぼりや動物の世話などの家事を手伝ってくれる。これらの手伝いに対しては牛乳やパンなどを少量、与えれば満足する。しかし、人に見られることは好きではないようで、覗き見ると目潰しされることがあるので、そっと牛乳やパンを置いておくとよい。いたずれも大好きで、牛乳を酸化させたり、物を隠したり、家畜を怖がらせたりする。家畜を盗んでしまうこともあるようだ。

ヴィル・ヒュイゲンとリーン・ポールトフリートの絵本『カバウターの生活と仕事』(1976年)には、カバウターの細かい様子が記録されている。この絵本が英訳された際に、カバウターはノームと訳されたために、現在ではカバウターはノームと同一視されている。日本でもこの絵本は『ノーム』として親しまれている。

《参考文献》

  • 『Leven en werken van de Kabouter』(文:Wil Huygen,画:Rien Poortvliet,1976年)

Last update: 2024/06/27

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