ジャック・アップ・ジ・オーチャード
| 分 類 | イギリス伝承(イングランド) |
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Jack-up-the-Orchard(ジャック・アップ・ジ・オーチャード)《果樹園のジャック》【英語】 | |
| 容 姿 | 明確な姿なし。影のような存在。 |
| 特 徴 | 果樹園に棲み、侵入者を脅かす。 |
| 出 典 | - |
果実泥棒をやっつける!?
ジャック・アップ・ジ・オーチャードはイギリス伝承に登場するナーサリー・ボギー(子供部屋のボギー、あるいはしつけ妖怪)の一種である。主にイングランド中西部のシュロップシャー州などに伝わっている果樹園に棲む精霊で、果樹園に忍び込んで果実を盗もうとする子供たちを脅かす。明確な姿は持たず、影のような存在で、収穫前の未熟な果実を盗む人間を懲らしめるために出没するので、果樹園の守護者でもあった。
エリザベス・メアリー・ライトの民俗言語学の著作『田舎言葉とフォークロア』(1913年)には「子供部屋のボギー」に関する言葉と用例が多数、紹介されており、その中にジャック・アップ・ジ・オーチャードも含まれている。シュロップシャー州などでは言うことを聞かない子供に対して、大人たちは「気をつけないと、ジャック・アップ・ジ・オーチャードを拝ませることになるぞ!」などと脅かしてしつけをしたという。また、ルース・タングもサマセット州の伝承として、リンゴ園に侵入した人間を懲らしめる毛むくじゃらのジャック・アップ・ジ・オーチャードの話を採集している。
なお、イングランドには、果樹園に棲むナーサリー・ボギーの仲間がたくさん知られている。たとえば、オウド・ゴッギーや
イギリスの北部方言ではjack-upは《諦めさせる》とか《(参ったと言わせて)やめさせる》、《お手上げにする》、そこから転じて《やっつける》と言ったニュアンスがある。だから、ジャック・アップ・ジ・オーチャードというのは「果樹園で悪さをする者をやっつける」というニュアンスも持っているようだ。
《参考文献》
- 『妖精事典』(編著:キャサリン・ブリッグズ,訳:平野敬一/井村君江/三宅忠明/吉田新一,冨山房,1992年)
- 『妖精 Who's Who』(著:キャサリン・ブリッグズ,訳:井村君江,ちくま文庫,1996年)
Last update: 2026/10/11
