レイジー・ローレンス

分 類イギリス伝承(イングランド)
名 称 Lazy Lawrence、Lazy Laurence(レイジー・ローレンス)《ものぐさローレンス》【英語】
容 姿姿が見えない精霊。
特 徴人間にとり憑いて、怠け心を引き起こす。
出 典-

人間が怠けたらレイジー・ローレンスの仕業!?

レイジー・ローレンスはイギリス伝承で人々に怠け心を引き起こすとされる精霊である。しばしば、ナーサリー・ボギー(子供部屋のボギー、あるいはしつけ妖怪)の一種であるとも言われる。サマセット州やハンプシャー州など、イングランド南西部に伝わっていて、基本的には姿の見えない精霊で、農作業をしなければならないときなどに人々にとり憑いて全身を重たくし、「何もしたくない」「横になりたい」などと怠惰の感情や眠気、脱力感をもたらす。特に夏の暑い日に、農夫たちのやる気がなくなるのはレイジー・ローレンスの仕業であるとされた。「Lawrence has got hold of him.(ローレンスに捕まった!)」という表現もよく知られる。

その一方で、果樹園を守護する精霊としての側面もあり、果樹園に忍び込んでリンゴやプラムなどを盗もうとする子供や泥棒にとり憑いて、身体を麻痺させて動けなくする。泥棒は動けないまま農園主に見つかって捕まってしまうという。おそらく、本質は人が怠ける理由を説明する精霊だったが、後世になって、大人たちが子供による果実の盗む食いを防ぐしつけ妖怪としてレイジー・ローレンスを利用したのだと思われる。

なお、「ローレンス」という名前は、一般的にはローマの聖人である「聖ローレンス」に由来するとされる。聖ローレンスはローマ皇帝ウァレリアヌスがキリスト教を大規模に迫害した際に捕えられ、灼熱した鉄の網の上で殉職した。しかし網の上で「焼き上がった。ひっくり返して食べよ(Assatus est; jam versa et manduca.)」と軽口を叩いたという逸話が知られている。後に、網の上でも動くのを面倒臭がったと解釈されて、レイジー・ローレンスに結びつけられたとされる。

ルース・タングはサマセットで採集した話として、レイジー・ローレンスが黒い仔ウマに変身して、果樹園に侵入した泥棒を追いかけ回したという話を紹介しており、一般によく知られているが、おそらくこれはルース・タングによる創作であろう。

《参考文献》

Last update: 2026/10/11

サイト内検索