ヘスティアー
分 類 | [ギリシア神話] |
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Ἑστία〔Hestiā〕(ヘスティアー)《炉》【古代ギリシア語】 Vesta(ウェスタ)【ラテン語】 | |
容 姿 | ローブをまとった女神。 |
特 徴 | ギリシア神話の竈(かまど)の女神。祭壇の女神。都市の守護女神。 |
出 典 | ヘーシオドス『テオゴニアー』(前7世紀)など |
家の中心に座って家庭生活を守護する女神!?
ヘスティアーはギリシア神話の竈(かまど)、そして炉の女神である。ローマ神話ではウェスタと呼ばれるが、語源的には同じである。
彼女はクロノスとレアーの長子で、デーメーテール、ヘーラー、ハーデース、ポセイドーン、ゼウスとは兄弟である。クロノスに丸呑みにされ、ゼウスによって吐き出された。
炉は家の中心であり、彼女は全ての家の中心にいて家庭生活を守護する女神として崇拝された。また、神々に生け贄を捧げる祭壇も彼女の管理下にあるとされ、生け贄の分け前は、まず、彼女に捧げられた。
市役所の大広間には聖なる火が灯される!?
都市のプリュタネイオン(市役所)の大広間には彼女の祭壇が設置され、常に聖なる火が灯されており、ヘスティアーは都市の守護者であるとされた。新しい植民地を建設する際には、この祭壇から火が運ばれ、新しい植民地にもたらされた。
生活や祭儀、都市に密着した重要な存在ではあるが、基本的には炉を擬人化した存在で、炉にとどまって守護するため、神話の中での活躍は少ない。アポッローンとポセイドーンに求婚されたが、永遠の処女でいることをゼウスに望み、その代わりにすべての神殿で祀られ、生け贄の分け前を受けることを認められた。
《参考文献》
- 『ギリシア・ローマ神話辞典』(著:高津春繁,岩波書店,1960年)
Last update: 2019/01/15