カテクシン(家宅神)
| 分 類 | 朝鮮伝承 |
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가택신 〔ga-taeg-sin〕(カテクシン)《家宅神》【朝鮮語】 가신 〔ga-sin〕(カシン)《家神》【朝鮮語】 | |
| 容 姿 | 基本的には姿は見えないが、属性に応じた性別や年齢の神とされる。 |
| 特 徴 | 正門、居間、台所、便所などそれぞれの領分を守護する。 |
| 出 典 | 『門前本神話』ほか |
家のそれぞれの場所で家族を守護する神々!?
カテクシン(家宅神)は朝鮮半島のシャーマニズムにおいて古来より伝わる家の守護神の総称である。単にカシン(家神)とも呼ばれる。たとえば、表門にはムンジョンシン(門前神)、居間にはソンジュシン(成造神)、台所にはジョワンシン(竈王神)、便所にはチュクシン(厠神)など、それぞれの空間に神々が宿っていて、それぞれの領分を守護していると信じられていた。
基本的には姿は見えないが、属性に応じておじいさん、おばあさん、美しい女性などで想像されている。家の中に神体(シンチェ)が置かれる。たとえば、穀物を入れた甕、白紙、布切れ、柱などがそれに対応する。カテクシンを祀る儀式や毎朝の祈りなどは、主にその家の主婦(母親)が担った。
家宅神信仰の起源神話!?
朝鮮半島全域に古くから伝わる家宅神信仰だが、その起源に関しては、唯一、済州島のシャーマンたちの間に伝わる口伝説話『門前本神話(ムンジョンボンプリ)』に残されている。
それによれば、昔、済州島にナムソンビ(南仙卑)とヨサン夫人(礪山夫人)という夫婦が7人の息子と暮らしていた。あるとき、大凶作で生活が困窮したため、ヨサン夫人はナムソンビに他国で商売をするように勧めた。
しかし、旅立ったナムソンビは五同(オドン)国でノイルジャデという娘に出会って魅了されて妾にした。ノイルジャデは全財産を奪い、ナムソンビは乞食のようにノイルジャデの家に居候し、栄養失調で目が見えなくなってしまった。
夫が3年間も戻らないため、ヨサン夫人は夫を探しに出掛けた。そして夫を発見した。飢えた夫のために膳を整えて出したが、目の見えない夫は妻だと気付かずに涙を流しながら自分の身の上を語った。ヨサン夫人は正体を明かして夫婦の再開を果たしたが、ノイルジャデが戻って来て、ヨサン夫人を騙して朱川江(チュチョンガン)の池に突き落として殺した。そして、ノイルジャデはヨサン夫人の服を着て、ヨサン夫人になりすました。
2人はナムソンビの故郷へ戻り、7人の息子たちに出迎えられたが、末の息子のノクディセンイン(緑迪生人)だけはノイルジャデを疑った。そこで、ノイルジャデは息子たちも殺そうと画策し、病気の振りをして夫に占い師に尋ねるように頼んだ。そして先回りして、占い師になりすまし、「夫人の病気は7人兄弟の肝臓を食べれば治る」と告げた。ナムソンビはこれを信じて、息子たちを殺す決意をする。
末の息子のノクディセンインは「兄の肝臓は私が差し出します」と言って山へ行き、6匹のイノシシを捕まえて肝臓を取り出して家に戻り、ノイルジャデに差し出した。ノイルジャデは肝臓を食べる振りをして枕の下にこれを隠した。これを盗み見ていたノクディセンインは部屋に飛び込んで肝臓を引っ張り出して人々に事実を暴露した。ノイルジャデは便所で首を吊って死に、ナムソンビは驚いて門の柱の木に足を引っ掛けて死んだ。
その後、ノクディセンインはヨサン夫人を行き返らせた。そして、彼女は台所を司るジョワンシン(竈王神)となったのだという。また、ナムソンビは門の柱を司るチュモッチシン(注目之神)となった。5人の兄たちはオバンウィシン(五方位神)、6番目の兄はドィムンジョンシン(裏門前神)、そしてノクディセンインは表門を護るムンジョンシン(門前神)になった。そして、ノイルジャデは便所を司るチュクシン(厠神)になったという。
済州島では、新年や新築祝いなどの際には門前祭(ムンジョンジェ)が執り行われるが、このような起源があるため、お供え物はまずは表門に捧げられ、その後、台所に移される。順番を間違えると神々が怒るとされ、厳格に順番は守られる必要がある。また、伝統的な韓屋(ハノク)では、台所とトイレが向き合わないように、極端に離して建てられる。また、台所の物をトイレに持ち込んだり、トイレの物を台所に持ち込んだりする行為は厳格なタブーとされた。
《参考文献》
- 『의외로 사연 많은 귀신 도감』(著:고성배,絵:파키나미,주니어김영사,2023年)(韓国語)
Last update: 2026/06/13
