フツヌシ

分 類日本神話
名 称 經津主神(フツヌシノカミ)〔紀〕【日本語】
容 姿
特 徴
出 典『日本書紀』(720年)ほか

オオクニヌシに国譲りを迫った剣の神!?

フツヌシは日本神話(記紀神話)に登場する剣の神である。『古事記』(712年)には登場しないが、『日本書紀』(720年)では「国譲り」神話で活躍する。

フツヌシ、タケミカヅチとともに葦原中國を平定する

『日本書紀』第9段のによれば、タカミムスヒが神々を集め、誰を葦原中國(あしはらなかつくに)に派遣するかを選ぼうとしたとき、神々はフツヌシを推薦した。しかし、タケミカヅチが「フツヌシだけが強い男ではない。私も強い男だ」と申し出たので、2柱が派遣されることになった。

こうして、フツヌシとタケミカヅチの2柱の神は出雲の浜に降り立ち、十握劒(とつかのつるぎ)を抜いて逆さまに突き刺して、その剣の先に胡坐(あぐら)をかいて座り、オオクニヌシに国を譲るように要求した。オオクニヌシは息子に相談する旨を回答する。息子のコトシロヌシは美保で釣りをしていたが、使者が国譲りについて問うと「父は国を譲る。私も従う」と答えて立ち去った。その後、オオクニヌシはこの地を平定した廣矛(ひろほこ)を2柱の神に授けて、「この矛でこの地を平定できる」と言って立ち去った。こうして、2柱の神々は従わない神々を成敗してから天に戻って復命した。

フツヌシの起源は十握劒の刃から垂れた血

フツヌシの出自については『日本書紀』第5段一書6に記載がある。イザナミが火の神カグツチを産んで火傷してしんでしまったとき、イザナキが十握劒でカグツチの身体を3つに斬ったとき、剣の刃から垂れた血からフツヌシの祖先が生まれたと書かれている。また、剣の鍔(つば)から垂れた血からはタケミカヅチの祖先が生まれたという。つまり、フツヌシとタケミカヅチはどちらも十握劒から生まれた神なのである。

地震を封じ込めている神!?

古来より、日本の地下深くには大鯰(おおなまず)がいて、地震を引き起こすと信じられている。これを封じているのがフツヌシとタケミカヅチだとされる。

フツヌシは千葉県の香取神宮の主祭神として祀られ、タケミカヅチは茨城県の鹿島神宮の主祭神として祀られているが、大鯰はぐるりと日本を一周して取り囲んでいて、タケミカヅチは鹿島神宮で頭を、フツヌシは香取神宮で尻尾を要石で押さえていると言われている。そして、ときどきこれらの神々の目を盗んで、大鯰が暴れるので、日本列島は地震に見舞われるのだという。

《参考文献》

Last update: 2026/01/12

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