エーオース
分 類 | ギリシア・ローマ神話 |
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Ἠώς 〔ēōs〕(エーオース)《曙》【古代ギリシア語】 Ἑώς 〔heōs〕(ヘオース)【古代ギリシア語】 Aurōra(アウローラ)【ラテン語】 | |
容 姿 | 二頭立て馬車に乗る。背中に翼を生やした姿。 |
特 徴 | ギリシア神話の曙の女神。 |
出 典 | ヘーシオドス『テオゴニアー』(前7世紀)ほか |
太陽神に先行して空を薔薇色に染める女神!?
エーオースはギリシア・ローマ神話の曙の女神である。ヒュペリーオーンとテイアーの娘で、太陽神ヘーリオスと月の女神セレーネーとは兄弟である。二頭立ての馬車を駆り、太陽神に先行して空を翔ける。古代ギリシアの壺絵などでは背中に翼を生やした女神として描かれる。紀元前8世紀の詩人ホメーロスは「ῥοδοδάκτυλος(ロドダクテュロス)《薔薇色の指を持った》」という形容詞で女神を表現している。
あるとき、エーオースは軍神アレースに恋をし、彼の恋人であるアプロディーテーを怒らせた。その結果、常に誰かに恋心を抱くように仕向けられた。このため、オーリーオーン、ケパロス、ティートーノス、クレイトスなどの人間の男性との恋物語が伝わっている。
また、エーオースはアストライオス(星空)を夫に、多数の星や風を産んでいる。
ローマ神話ではアウローラと呼ばれる。北極で目撃されるオーロラは、この女神に由来して17世紀頃から使われ始めた。
《参考文献》
- 『ギリシア・ローマ神話辞典』(著:高津春繁,岩波書店,1960年)
Last update: 2019/02/17