ドヴェルグ

分 類北欧神話
名 称 Dvergr(ドヴェルグ)【古ノルド語】
Døkkálfr(デックアールヴ)《闇の妖精》【古ノルド語】
Svartálfr《黒い妖精》【古ノルド語】
容 姿醜い姿の小人。
特 徴原初の巨人の死体から湧いたウジ虫。地中に暮らし、鍛冶に長け、さまざまな神々の道具を製作した。
出 典スノッリ・ストゥルルソン『散文のエッダ』(13世紀頃)、『詩のエッダ』(13世紀頃)ほか

神々の名器を作る地下世界の小人族!?

ドヴェルグは北欧神話に登場する小人族のこと。オージンたちが原初の巨人ユミルを殺したときに、その死体から湧いたウジ虫で、神々によって人間のような身体と知性を与えられた。ウジ虫の性質を残しているのか、彼らは人間のような姿を与えられた後も地中で暮らした。鍛冶に長け、オージンの武器グングニルやソールの槌ミョッルニルなど、さまざまな道具を製作している。

ドヴェルグ、四方で天蓋を支える!?

『散文のエッダ』の「ギュルヴィたぶらかし」では、ノルズリ、スズリ、オーストリ、ヴェストリという名前のドヴェルグが東西南北のそれぞれの方位にいて、ユミルの頭蓋骨でつくった巨大な天蓋を支えるように神々に命じられたと記述されている。

アルヴィース、調子に乗って石になる!?

ドヴェルグの中にアルヴィースという賢者がいて、ソールの娘スルーズとの結婚が約束された。しかし、ソールはこの結婚に反対しており、アルヴィースに身長が低いことを理由に、知恵を証明するように要求した。アルヴィースは何でも知っていたため、ソールの質問に次々と答えていった。しかし、夢中になって答えているうちに気が付いたら夜が明けた。日の光に当たった瞬間、アルヴィースは石になってしまった。ドヴェルグは日の光で石になってしまうのである。こうして、ソールはまんまとアルヴィースを騙したのである。

ドヴェルグは闇の妖精!?

北欧神話の世界には、アールヴと呼ばれる妖精族が登場するが、美しい光の妖精リョースアールヴと醜い闇の妖精デックアールヴという2種類が存在する。ドヴェルグはしばしばデックアールヴと同一視されている。

ドヴェルグはドイツの民間伝承に引き継がれ、英語のドワーフの原型になった。

《参考文献》

Last update: 2022/05/05

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