ドワーフ

分 類ヨーロッパ伝承近代ファンタジー
名 称 Dwarf(ドワーフ)【英語】
Zwerg(ツヴェルク)【ドイツ語】
Dvergr(ドヴェルグ)【古ノルド語】
容 姿長い髭をはやし、背丈は低い。
特 徴地下に暮らし、鉱脈を掘る。
出 典『グリム童話集』(1812-1815年)、トルキーン『ホビットの冒険』(1937年)ほか

地下に暮らす小人!?

ドワーフはヨーロッパ伝承に登場する小人の一種である。人間よりも背丈は小さく、長い髭を生やしている。女性も髭を生やしているとされる。その起源は北欧神話に登場するドヴェルグで、ドイツの民話や童話などに多数、登場する。たとえば、グリム童話の『白雪姫』に登場する7人の小人もドワーフである。

北欧神話のドヴェルグは、原初の巨人ユミルの死体に涌いたウジ虫だったが、神々によって人間のような姿と知性を与えられた。彼らは地中で暮らし、太陽の光を浴びると石になるとされた。手先は器用で、神々のさまざまな武器や道具は、このドヴェルグたちの手によるものが多い。

ヨーロッパの民間伝承に登場するドワーフたちは必ずしも太陽の光を浴びて石になるわけではないが、ドヴェルグ同様に地下に暮らし、鉱脈を掘る。また、鍛冶が得意だとされる。手が長く、老人の姿をしているなどと描写されることもある。

トルキーンの描いたドワーフ族!?

ドワーフはJ.R.R.トルキーンの『ホビットの冒険』(1937年)や『指輪物語』(1954-1955年)で、中つ国に暮らすひとつの種族として登場した。中つ国には、アイヌ(天使)、エルフ、人間、ホビット、ドワーフ、エントオークトロルなどが暮らす。ドワーフ族は中つ国の山々から貴金属を採掘し、加工した。貴金属のミスリルも彼らがモリアの地で採掘し、加工した産物である。ドワーフ族はエルフ族と人間の中間的な存在で、エルフ族が年老いることがないのに対して、ドワーフ族の寿命は250年ほどである。ドワーフ族は非常に勇敢な戦士でもあり、自らが加工した武器や鎧を身にまとい、敵の種族と激しく戦った。トルキーンが描いたトルキーンのドワーフのイメージは、後世の多くのファンタジー作品に影響を与えた。

《参考文献》

Last update: 2022/05/05

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