アフラ・マズダー
分 類 | ペルシア・ゾロアスター神話 |
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𐬀𐬵𐬎𐬭𐬀 𐬨𐬀𐬰𐬛𐬁〔Ahura Mazda〕(アフラ・マズダー)【アヴェスター語】 | |
容 姿 | 有翼光輪を背景にした王の姿。 |
特 徴 | ゾロアスター教の最高神。 |
出 典 | 『アヴェスター』(6世紀頃)ほか |
アフラ・マズダーはゾロアスター教の最高神。ゾロアスター教では、善神スプンタ・マンユと悪神アンラ・マンユが闘争を繰り広げる世界だが、最終的にアフラ・マズダーが善悪を分離し、裁く。
後代には、アフラ・マズダーとスプンタ・マンユは同一視されるようになっていく。
完全世界を目指し善を率いるゾロアスター教の最高神
アフラ・マズダーはゾロアスター教の最高神である。一応、ゾロアスター教では唯一神という形式を採っているため、神と呼ぶべきなのは、このアフラ・マズダーだけであるが、実質、アムシャ・スプンタという7人の上級神、ヤザタという下位の神々、そしてフラワシという守護霊が存在する。
ゾロアスター教の世界観では、この世界は「善」と「悪」が対立する世界である。この世の始まりのときに、創造神である善霊(スプンタ・マンユ)は、もうひとりの創造神である悪霊(アンラ・マンユ)と出会ったという。スプンタ・マンユは「善」を選択し、アンラ・マンユは「悪」を選択し、それぞれ、自分の選択した原理に従って世界の創造を開始したのである。アフラ・マズダーを筆頭に善神たちは光の世界を創造するが、アンラ・マンユはそれに対抗して、冬や病気、悪などの16の災厄を創造した。大地を砂漠にし、海を塩水にし、植物を枯らし、動物を殺し、この世界を衰退させようとする。アフラ・マズダーはこれに対抗し、不断の努力で衰退や邪悪を退け、世界を浄化していく。そして最終的には善の勢力が勝利し、この世界は完璧な世界になるのである。
宗教画としては有翼光輪を背にした男性の姿で描かれる。
ちなみにアフラ・マズダーの起源は古代アーリア人たちが崇拝していた最高神ヴァルナにある。ヴァルナは司法神でもあり、世界の秩序を護るために世界を見張る神だったが、ザラスシュトラ(ゾロアスター)によって倫理的・教義的な側面を強化され、アフラ・マズダーに昇華させられたと考えられている。ちなみにイランで言う「アフラ」の語はインドではアスラと呼ばれ、水神ヴァルナの眷属となり、時代が降るにつれて悪魔的な存在として位置づけられた。
《参考文献》
- 『Truth In Fantasy 事典シリーズ 7 東洋神名事典』(監修:山北篤,新紀元社,2005年)
Last update: 2019/06/09