バルドル
分 類 | 北欧神話 |
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Baldr(バルドル)【古ノルド語】 | |
容 姿 | 美しい神。 |
特 徴 | 万人から愛され、いかなるものにも傷つかない。 |
出 典 | スノッリ・ストゥルルソン『散文のエッダ』(13世紀頃)、『詩のエッダ』(13世紀頃)ほか |
いかなるものにも傷つかないはずだったのに……!?
バルドルは北欧神話に登場する光の神である。オージンとフリッグの子で、賢明で美しい神で、万人から愛された。フリッグは世界中の生物・無生物にバルドルを傷つけないように約束させた。これにより、いかなる武器でも彼を傷つけることができなくなったが、ヤドリギだけは若すぎて約束ができていなかった。神々はバルドルを祝い、さまざまなものを投げつけては傷つかないバルドルを見て楽しんでいたが、ヤドリギが例外であることを知ったロキは、盲目のヘズをたぶらかして、ヤドリギを投げさせた。これによってバルドルは命を落としてしまった。
死の国ヘルヘイムの女王ヘルは、彼を生き返らせる条件として、全ての者が彼のために泣くことを求める。フリッグの頼みで全世界の生物・無生物が彼のために泣いたが、巨人セック(実はロキが化けたもの)だけは泣かなかったため、バルドルは戻らなかった。
バルドルの死によって光を失った世界は、やがてラグナロクを迎えるが、バルドルは世界が滅びた後、新世界に甦り、ヘズと暮らすと信じられている。
《参考文献》
- 『エッダ ―古代北欧歌謡集』(訳:谷口幸男,新潮社,1973年)
Last update: 2023/03/20