牛鬼(うしおに)

分 類日本伝承
名 称 牛鬼(うしおに)【日本語】
容 姿鬼の頭にウシの胴体、あるいはウシの頭に鬼の胴体、ウシの頭にクモの胴体などさまざま。
特 徴海や淵、滝壺などから出現し、人間を殺す。
出 典佐脇嵩之『百怪図巻』(1737年)ほか

海からやってくる恐ろしい怪物!?

牛鬼(うしおに)は日本伝承に登場する妖怪。主に西日本の水辺に出没して人間を襲う。その姿はさまざまで、たとえば、ウシの頭に鬼の胴体を持つとされることもあれば、反対に鬼の頭にウシの胴体とも言われるが、もっともよく知られる姿は、佐脇嵩之が『百怪図巻』(1737年)で描いたようなウシの頭にクモのような胴体を持った怪物で、江戸時代の妖怪画ではこの姿で描かれることが多い。

ただし、尾田郷澄『百鬼夜行絵巻』(1832年)では『百怪図巻』の牛鬼と同じような図像が土蜘蛛(つちぐも)と記述されている。

牛鬼は海岸や淵、滝などの水辺に潜んでいて、非常に危険で残忍な妖怪だとされる。たとえば、和歌山県では、淵、滝壺などに潜んでいて、牛鬼に遭遇しただけで、あるいは影を舐められただけで病に罹って死んでしまうと恐れられた。万が一、牛鬼と遭遇した場合には「石は流れる、木の葉は沈む、牛は嘶(いなな)く、馬は吼える」などとあべこべの言葉を言うと命が助かるという。また、牛鬼を避けるために正月には酒を供えたという。

山陰地方や北九州などでは、濡女(ぬれおんな)磯女(いそおんな)とグルになって襲い掛かってくる。赤子を抱いた女が現れ、赤子を抱いてくれと頼んでくる。それに応じると、赤ん坊は石のように重くなって動けなくなる。すると、牛鬼が海中から出現して襲い掛かってくるという寸法だ。

愛媛県の宇和島では、牛鬼の作り物で練り歩く祭りが知られる。大勢の人が山車(だし)を背負うが、長い首がついていて、その先には角を生やした竜のような頭がついている。和霊神社では7月23日と24日に「牛鬼まつり」が開催される。伊予国を襲っていた牛鬼を山伏や弓術者が退治したことが起源になっているという。

新潟県や滋賀県などでは、蓑火の一種としての牛鬼の伝承もある。白い光が身体にまとわりついてきて、これを「牛鬼にあった」というらしい。

《参考文献》

Last update: 2026/05/23

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