ステュクス

分 類ギリシア・ローマ神話
名 称 Στύξ 〔styx〕(ステュクス)【古代ギリシア語】
特 徴冥府を流れる河の女神。
出 典ヘーシオドス『テオゴニアー』(前7世紀)など

この世とあの世を分かつ冥府の河川!?

ステュクスはギリシア・ローマ神話の冥府を流れる河川、あるいはそれを神格化した女神である。この河川は冥府の周りを七周している。死者と生者の領域を分かつ三途の川のようなイメージで、死者はこの河を渡らなければ死者の国に行けない。渡し守としてカローンがいて、1オボロスを支払わなければ向こう岸へ渡してもらえない。

日本の三途川も舟で渡る!?

日本にも三途川を渡るために六文銭を必要とする信仰がある。現在では「文」という単位はないため、代わりに紙に六文を記した冥銭が副葬品として用いられる。このような冥府の河川の考え方は広く世界中に見られる発想である。

神々ですら10年間呪われる誓いの水!?

ステュクスは海神オーケアノステーテュースの娘で、ティーターン族であるが、ゼウスがティーターン族と争ったときに、父親であるオーケアノスとともに真っ先にゼウスの側についた。この報酬として、神々が誓言するときには、ステュクスの水に誓う権利をゼウスから与えられた。神々は何か誓いを立てるときにはステュクスの水を飲んで誓う。そして、もしも神々がこの誓いを破った場合、その神は1年間、仮死状態になり、さらに9年間は他の神々と交流することができなくなる。

英雄アキレウスを不死身にした水!?

アキッレウスはこのステュクスの水に全身を浸かったため、不死身の身体を得た。このとき、母親のテテュスが踵を掴んでいたため、踵だけはステュクスの水に浸からなかったため、アキッレウスは踵を射られて死んだ。

《参考文献》

Last update: 2021/10/01

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