ボナコン

分 類ヨーロッパ伝承博物誌
名 称 Bonnacon(ボナコン)【ラテン語】
Bonasus(ボナスス)【ラテン語】
容 姿ウシの身体、ウマのたてがみ、後ろ向きにま
特 徴肛門から灼熱の糞を撒き散らして攻撃する。
出 典プリーニウス『博物誌』(1世紀)ほか

糞を撒き散らすウシの怪物!?

ボナコンは中世博物誌で紹介される糞を撒き散らして攻撃する怪物。プリーニウスの『博物誌』でボナススの名で初めて言及され、以降、中世ヨーロッパの動物寓意譚などで繰り返し、紹介された。プリーニウスの『博物誌』では、ボナススはパエオニア(現在のブルガリア周辺)に棲息しているとされ、身体つきは野ウシに似た怪物だという。ただし、ウマのようなたてがみをはやし、頭にある角は後方へと湾曲していて戦闘の役には立たない。その代わりに、ボナススは糞を600m近くまで撒き散らして攻撃し、その間に逃げる。糞は単に臭いだけでなく炎のように熱いとされ、糞に触れた者は焼け焦げる。

中世の動物寓意譚では、しばしば、道徳や教訓を含めて動物を紹介することが多いが、ボナコンはそのような寓意的な意味は与えられず、もっぱら、糞を撒き散らすユーモラスな絵が描かれた。『アバディーン動物寓意集』でも同様の言及があるが、ボナコンの棲息地はアジアとされている。

フランスの伝承では、ボナコンは旧約聖書の怪物レヴィアタンと交わって、タラスクをもうけたという伝承もある。タラスクというのはフランスに棲む人喰い竜である。

《参考文献》

Last update: 2021/03/06

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