カムペー

分 類ギリシア・ローマ神話
名 称 Κάμπη 〔kampē〕(カムペー)【古代ギリシア語】
容 姿上半身は女性、下半身からはさまざまな怪物が生えている(詳細は本文)。
特 徴クロノスにタルタロス(奈落)の入り口の番人に任命され、ヘカトンケイル族やキュクロープス族を幽閉していた。ゼウスに退治された。
出 典アポッロドーロス『ビブリオテーケー』(1~2世紀頃)、ノンノス『ディオニューソス譚』(5世紀)など

奈落の入口を守護するおぞましい怪物!?

カムペーはギリシア・ローマ神話に登場する怪物である。ゼウスの父クロノスは、厄介な兄弟たちであるヘカトンケイル族(百腕巨人)、キュクロープス族(一眼巨人)をタルタロス(奈落)に幽閉し、その門番としてカムペーを置いた。ゼウスはクロノス率いるティーターン族との戦いを開始したが、10年戦っても勝敗は決しなかった。ゼウスは、大地の女神ガイアから、タルタロスに幽閉されているヘカトンケイル族とキュクロープス族を味方につければ勝利できると教えられ、カムペーを殺して彼らを解放した。彼らの助力を得て、ゼウスはティーターン族を降し、神々の王となった。

アポッロドーロスの『ビブリオテーケー』ではあっという間に退治されてしまうカムペーだが、その姿について、ノンノスが『ディオニューソス譚』で詳細に描写している。あまりにおぞましい姿が強調されていて、実のところ、不明瞭でよく分からない。要約すると、上半身は女性で、胸元から太腿にかけては鱗のついた海の怪物で、足は無数に分かれてうねうねと曲がりくねったヘビで毒の息を吐き、彼女の首回りからは50もの獣の頭が突き出していて、背中にはサソリの尾が突き出し、彼女の頭髪からは無数のヘビが生えていて毒の息を吐いている。身体から塩水を撒き散らし、1対の真っ黒い翼からは強風を吐き出す。鎌のような鋭く長い爪をはやし、目からは炎が飛び出す。何でもありのおそろしい姿である。ゼウスに雷霆で撃たれて倒されたと説明されている。

《参考文献》

Last update: 2022/01/10

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