ヒュプノス

分 類ギリシア・ローマ神話
名 称 Ὕπνος〔Hypnos〕(ヒュプノス)《眠り》【古代ギリシア語】
容 姿翼を持った青年神。
特 徴眠りの神。
出 典ヘーシオドス『テオゴニアー』(前7世紀)など

ヒュプノスはギリシア・ローマ神話に登場する眠りの神。「眠り」そのものを神格化した神で、ヘーシオドスの『テオゴニアー』では、夜の女神ニュクスの息子で、兄弟にタナトスモロスなどの「死」を意味する神々がいる。また夢の神々であるオネイロスたちも兄弟である。

タナトスと一緒に、地下のタルタロスに館を構えて、ニュクスが地上に夜をもたらすときには、付き従って人々を眠りに誘う。しばしば、タナトスとヒュプノスは対になって描かれ、タナトスが永遠の眠りをもたらすのに対して、ヒュプノスが一時の眠りをもたらすものとして対比される。翼を持った青年神として描かれ、人間の額を木の枝で触れたり、液体を注いだりして人を眠らせる。

しばしば女神ヘーラーに頼まれ、ゼウスを眠らせたことがある。一度目は英雄ヘーラクレースを迫害するときで、ゼウスに罰せられるところを、母ニュクスが取りなして助けられた。二度目はトロイア戦争のときで、戦争から気を逸らすためにゼウスを眠らせた。ヒュプノスの眠りは神に対しても有効なのである。

《参考文献》

Last update: 2021/09/25

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