フボット

分 類フィリピン伝承
名 称 Hubot(フボット)【フィリピン諸語】
容 姿黒い肌で上半身だけのアスワン。翼を広げると傘のような姿になる。
特 徴大きな翼で空を飛び、上空から獲物を急襲する。
出 典

傘のような翼で空から急襲する吸血鬼!?

フボットはフィリピン伝承に登場するアスワンの一種。西ビサヤ地方に伝わっていて、マナナンガルと同じように上半身と下半身を切り離すタイプのアスワンである。肌は黒いようだ。フボットは決して自分の棲んでいる村の隣人は襲わないとされ、夜になると空を飛んで周辺の村を訪れる。そして、暗くなっているにも関わらず外を歩いているような不用心な人間を見つけると、ふわふわ漂いながら近づいていき、空から急襲する。真っ黒い影のような姿をしているとも言われていて、獲物を包み込んで空中に運んで行って、どこか安全な場所で喰らうとも言われている。

フボットは遠くから見ると傘が飛んでいるように見えると説明される。フボットの翼が巨大で、まるで傘のように見えるのだろう。ちなみに、同じビサヤ地方にクボットと呼ばれるアスワンもいる。こちらは髪の毛を広げて空を飛ぶアスワンだ。その姿も傘のようと言えば傘のようである。同一のものである可能性も高いが、ウェブサイト「アスワン・プロジェクト」では別項を立てて紹介しているので、ファンタジィ事典でも別の妖怪として取り扱っている。

フボットは棘のある枝を嫌う。何故なら、翼の膜を裂いてしまうからである。従って、フボットに狙われたら、棘のある枝の多い茂みなどに逃げ込んでしまうのもひとつの選択かもしれない。

《参考文献》

Last update: 2024/07/22

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