クィスサン
| 分 類 | 朝鮮伝承 |
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귀수산(クィスサン)《亀首山》【朝鮮語】 | |
| 容 姿 | 島のような巨大なカメ。 |
| 特 徴 | 新羅の神文王に笛を与えた。 |
| 出 典 | 一然『三国遺事』(13世紀末)ほか |
海に浮かぶカメの山!?
海には巨大な生物が棲んでいて、島だと思って上陸したら生き物だった。そんな話は世界各地に残されている。中世ヨーロッパのアスピドケローネーやヤスコニウス、クラーケン、そしてアラビアのサラターンなど、枚挙に暇がない。朝鮮半島にも似たような巨大な海洋生物が知られている。それがクィスサンだ。ただし、クィスサンの場合、もう少し神秘的である。
クィスサンは漢字では「亀首山」と書く。島のように巨大なカメである。一然(イルヨン)の史書『三国遺事』(13世紀末)に記述がある。新羅の第31代の王の神文王が遭遇している。
西暦682年5月1日に、東海(トンヘ)に小さな山が現れて、感恩寺(カムン寺)の近くまで漂ってきた。新羅の神文王はその話を聞きつけると、7日にその地を訪問し、島に人を遣わせて調査させた。山は亀の頭のような形をしていて、上には竹が1本生えていた。昼になると竹が2本に分かれて、夜になると1本に合わさった。王はこの話を聞くと感恩寺に宿泊した。昼になったとき、突然、竹が1本に合体し、天地が震え、暴風雨が吹き荒れ、7日間、空が暗くなった。それが収まって王は船に乗り込んで山に入ると、龍が出現し、黒い玉帯を賜った。王は喜んで金と玉で報いると、竹を伐採するように命じた。そして山を出ると、山も龍も姿を消した。王は宮殿に戻り、竹で笛をつくって月城の天尊庫に保管した。この笛を吹けば、敵兵は退き、病は癒え、旱魃には雨が降り、長雨は晴れ、風は止み、波は静まった。この笛を「萬波息笛(マンパシクチョク)」と呼んで、国宝とした。
この『三国遺事』の記述から、巨大なカメが神文王の元に泳いでやってきて、役目を終えて、再び東海の底に沈んだと解釈されている。亀の背中には山があり、竹が生えていて、龍が棲んでいる。背中に上陸した点では、アスピドケローネーなどのヨーロッパやアラビアの怪物たちと似ているが、性質的にはもっとずっと神聖な生き物である。
《参考文献》
- 『한곡 요괴 도감』(著:고성배,2019年)(韓国語)
Last update: 2025/09/14
