ホビット
分 類 | 現代ファンタジー(指輪物語) |
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Hobbit(ホビット)【英語】 Halfling(ハーフリング)《小さい人》【英語】 | |
容 姿 | 身長0.6~1.2メートルほどの小人族。足の裏にも毛が生えている。 |
特 徴 | 敏捷で臆病。平和主義者。 |
出 典 | トルキーン『ホビットの冒険』(1937年)、『指輪物語』(1954-1955年)ほか |
平和を好む牧歌的な小人族、冒険に出る!?
ホビットはJ.R.R.トルキーンの『ホビットの冒険』や『指輪物語』に登場する小人族。元々はトルキーンのオリジナルだが、その後、多くのファンタジー作品にイメージが転用されている。
ホビット族は身長が0.6~1.2メートルで、人間で言えば子供くらいのサイズである。そのため、人間などの他の種族からはハーフリング(小さい人)とも呼ばれているが、ホビットそのものはその呼称を好ましく思っていない。足の裏に毛が生えているため、音を立てずに歩くことができ、靴を履く習慣はない。性格は穏やかで、平和主義者であり、臆病である。ホビット庄と呼ばれるホビットの集落で、地面に横穴を掘って、牧歌的に暮らしている。しかし、トゥック家の血筋には稀に好奇心旺盛なホビットが生まれることがあり、まさに『ホビットの冒険』の主人公のビルボ・バギンズはその典型で、魔法使いのガンダルフにそそのかされて冒険の旅に出た。
『ホビットの冒険』ではビルボ・バギンズは「忍びのもの(英語ではburglar)」としての腕を買われて、ドワーフたちと竜ウマウグの巣食う洞窟への旅に同行し、見事に目的の財宝を手に入れることができる。そのほかにも、ビルボ・バギンズはトロルの洞穴から「つらぬき丸」などの剣を略奪したり、ゴラムの持っていた「魔法の指輪」(後に「一つの指輪」と判明する)をこっそりくすねるなどの活躍をしている。ホビット族が敏捷で、盗みや忍びの技術に長けているという設定は、このビルボ・バギンズの活躍に由来し、以降、多くのファンタジー作品に踏襲されていく。
『ホビットの冒険』の続編となる『指輪物語』では、ビルボ・バギンズの養子のフロド・バギンズが主人公に設定されている。作中では、フロドは指輪の誘惑になかなか屈しない存在として描かれている。
ホビットはシーフの適正あり!?
初期の『ダンジョンズ&ドラゴンズ』では「ホビット」が登場し、『ホビットの冒険』や『指輪物語』の設定と酷似していたが、トルキーン財団からの抗議を受け、改訂版からは名称が「ハーフリング」に変更された。ハーフリングはその敏捷性からシーフ(盗賊)の適正がある一族とされ、罠の発見と解除、隠し扉の発見、鍵開け、モンスターの気配を探るなどの特殊能力が設定された。これもおそらくは「忍びのもの」としてビルボ・バギンズがドラゴンから財宝をうまく盗み出したエピソードなどに由来しているものと思われる。
《参考文献》
- 『Truth In Fantasy 事典シリーズ 2 幻想動物事典』(著:草野巧,画:シブヤユウジ,新紀元社,1997年)
Last update: 2024/07/15