ダークエルフ

分 類近代ファンタジー
名 称 Darkelf(ダークエルフ)【英語】
Drow(ドラウ)【英語】
容 姿肌の黒いエルフ。
特 徴地下世界で邪悪に変化したエルフ。
出 典『ダンジョンズ&ドラゴンズ』ほか

肌の黒い邪悪なエルフ!?

ダークエルフは近年のファンタジー小説やゲームなどに登場する堕落したエルフである。J.R.R.トルキーンの『指輪物語』以降、エルフは白い肌をした高潔で美しい種族として描かれるが、ダークエルフは外見はほとんどエルフと変わらず、ただ、肌の色だけが黒い。悪の陣営に味方して人間に害をなしたり、エルフ族と敵対していたりする。

北欧神話には「闇の妖精」が登場!?

ちなみに、北欧神話にはデックアールヴが登場する。意味は《闇の妖精》という意味なので、英語にすれば、まさにダークエルフである。リョースアールヴ(光の妖精)とデックアールヴ(闇の妖精)という対立はスノッリの『ギュルヴィたぶらかし』のみで言及されるため、北欧神話一般でこのような二項対立の概念があったのかどうかは定かではない。また、デックアールヴは地下世界に暮らすドヴェルグ(その後、ドワーフの伝承に繋がる)と同一視されており、その姿は小さく醜い。北欧神話においては、アールヴは半神的な種族で、ドヴェルグは原初の巨人ユミルから湧いたウジ虫で、その出自は大きく異なる。その意味では、エルフが堕落してダークエルフになるというイメージは、北欧神話のデックアールヴとは大きく異なる。

ダークエルフと近代ファンタジー!?

J.R.R.トルキーンの『シリマリルの物語』では、一部のエルフ族は冥王モルゴスに幽閉され、堕落してオークになったとされている。オークは非常に醜い姿で描かれている。テーブルトークRPGの『ダンジョンズ&ドラゴンズ』では、同様にドラウという堕落したエルフたちが登場する。ドラウの語はスコットランドの性悪な妖精を意味するが、作中では地下世界に閉じ込められて変化したエルフとして登場している。

このような堕落して姿を変えたエルフが、その後、多くのファンタジー小説やゲームで「ダークエルフ」として繰り返し登場するようになる。日本では尖った耳、金髪、細身などのエルフの要素は残しつつ、肌の色だけが茶色や青、紫色の妖艶なダークエルフが登場することが多い。

ダークエルフは黒人差別!?

近年、肌の黒いエルフというのは黒人差別だと見做されるようになり、多くのファンタジー作品がダークエルフの肌の色の修正を余儀なくされている。Netflixなどでは黒い肌で描かれたダークエルフが登場する過去の作品を削除するなどの動きが出ている。

《参考文献》

Last update: 2022/05/05

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