アンシャル
分 類 | メソポタミア神話 |
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𒀭𒊹 〔an-šar₂〕(アンシャル)《天全体》【アッカド語】 | |
容 姿 | 不明。後代には雄ウシにまたがった王の姿。 |
特 徴 | アヌやエンリルなどの神々の祖。 |
出 典 | 『エヌマ・エリシュ』(紀元前18世紀頃)ほか |
泥とシルトからうまれた天空全体の神!?
アンシャルはバビロニア神話に登場する天の神である。『エヌマ・エリシュ』の中で、原初に誕生したアプスー(淡水)とティアマト(塩水)が互いに混ざり合うことで、ラフムとラハム(泥とシルト)が生まれ、ラフムとラハムからアンシャル(天全体)とキシャル(地全体)が誕生した。そして、アンシャルとキシャルからアヌ(天)が誕生し、さまざまな神々や世界が形作られていった。
アンシャルの配偶女神であるキシャルは『エヌマ・エリシュ』にしか登場しないが、アンシャルの名前はすでにシュメル文学に登場する。エンリルの父と説明されるが、具体的にどのような神だったのかは判然としない。
なお、新アッシリア時代(前10世紀~前7世紀)には、アンシャルはアッシュルと習合した。政治的にエンリルやマルドゥクを押し退けて最高神の地位まで上り詰めたアッシュル神をアンシャルと同一視することで、原初神としての地位を与えようとしたものと考えられる。これによって、アッシュルはアヌよりも古い由緒ある神となった。雄ウシの上に立つ王の姿で描かれた。
《参考文献》
Last update: 2020/09/20