アイテール
分 類 | ギリシア・ローマ神話 |
---|---|
Αἰθήρ 〔aithēr〕(アイテール)《上天》【古代ギリシア語】 | |
容 姿 | 男神。詳細不明。 |
特 徴 | 天の上で澄んで光り輝く大気を擬人化した神。 |
出 典 | ヘーシオドス『テオゴニアー』(前7世紀)など |
天高いところには澄み切って光り輝く大気がある!?
アイテールはギリシア・ローマ神話の光の神。厳密には「上天」などと訳される。古代ギリシア人は、天の中でも高い位置に澄んで光り輝く大気があると考え、アイテールはこれを擬人化した神である。夜の女神ニュクスと暗闇の神エレボスから生まれた息子で、姉妹には昼の女神ヘーメラーがいる。「夜」と「暗闇」から、まったく正反対の概念である「昼」と「光」が誕生したわけである。
アイテールは神話によっては天空神のウーラノスと混同され、同一視されることもある。しかし、ウーラノスは「星散り映えたる」と表現されるように、どちらかと言えば、暗い天のイメージを持っている。
古代ギリシア人の世界観を解説!?
古代ギリシア人は、大地を円盤のようなものだと考えていて、その上方にはウーラノス(天)があり、下方にはタルタロス(奈落)があると考えていた。そして、天の上部には澄んで輝くアイテールがあり、奈落の底には暗く淀んだエレボスがあると考えていた。
ニュクス(夜)とヘーメラー(昼)で母と娘で対になっているのと同様に、エレボス(闇)とアイテール(光)で父と息子で対になっている。
《参考文献》
- 『ギリシア・ローマ神話辞典』(著:高津春繁,岩波書店,1960年)
Last update: 2021/10/01