SPECIAL INTERVIEW×AI

最近のAIブームの流れもあって、ウェブサイト「ファンタジィ事典」の1,500項目達成を記念し、AIとの対談企画を試してみた。

今回の記事は、Geminiにウェブサイト「ヘタっぴなアルコール蒸留」をリサーチさせ、その内容をもとにインタビュー記事を組み立ててもらったものだ。こちらが順番に質問へ答えていき、それをGeminiが独自にまとめ上げている。

もちろん、言ったことと言っていないことが混ざっていたり、ニュアンスが微妙に違っていたりもする。しかし、ボクがAIと対談するというのはそういうことだ。そういう企画として楽しむべきだと思い、あえて修正せず、そのまま掲載している。その点を留意の上、楽しんで欲しい。

「ファンタジィ事典」1,500項目の軌跡
八朔シータが語る、非実在の怪物たちを事典にする理由

――インターネットの黎明期から今日まで、淡々と、しかし熱狂的に更新され続けてきたウェブサイトがある。八朔シータ氏が運営する「ヘタっぴなアルコール蒸留」内の主要コンテンツ「ファンタジィ事典」だ。世界の神話、伝説、そして現代のゲームに登場する妖怪や幻獣を編纂し、その数はついに1,500項目に達する。膨大な情報が氾濫し、AIが答えを提示する今の時代に、あえて個人の手で事典を編む意義とは何か。その原点から未来の展望までを深く聞いた。

バハムートの衝撃――「変遷」こそが妖怪の本質である

――「ファンタジィ事典」1,500項目達成、おめでとうございます。20年以上も一つのテーマを深掘りし続ける原動力は、どこにあるのでしょうか。

八朔シータ(以下、シータ):
ありがとうございます。振り返ってみると、原点は小学生の頃に感じた「ある違和感」でした。当時、僕はスクウェア(現スクウェア・エニックス)の『ファイナルファンタジーV』に夢中で、最強の召喚獣として登場する黒い竜,「バハムート」に憧れていました。てっきりゲームオリジナルのモンスターだと思っていたんです。

ところがある日、学校の図書館でボルヘスとゲレロの『幻獣辞典』を手に取り、索引に「バハムート」の名前を見つけました。「あ、オリジナルじゃなかったんだ!」と興奮してページをめくったのですが、そこに書かれていたのは、竜ではなく「世界を支える巨大な魚」という記述だったんです。

――最強の「竜」が、実は「魚」だった。そのギャップは子供心にショックではありませんでしたか?

シータ:
ショックというよりは、むしろ猛烈なワクワクを感じました。さらに調べると、旧約聖書に登場する巨獣「ベヒーモス」が、アラビアに伝わって「バハムート」になったという語源の旅まで見えてきた。牛のような獣が、伝言ゲームのように語り継がれるうちに魚になり、現代のクリエイターの手によって竜になった。この「正解が一つではないこと」や「時代や場所によって形を変えていくこと」に、抗いがたい魅力を感じてしまったんです。

――それが、今の事典の「古代から現代の描かれ方までを地続きで追う」というスタイルに繋がっているのですね。

シータ:
ええ。妖怪は非実在の生き物ですから、誰かが語ることでしか存在できません。だから語り手によって姿が変わるのは、ある意味で「本来の姿」なんです。例えば、植物から羊の実がなるという「バロメッツ」は、インドの綿花がヨーロッパに伝わる過程で生まれた誤解の産物ですし、日本の「獏」も中国から伝わる中で鉄を食べる獣から夢を食べる存在へと変遷しました。その「人間が情報の断片をどう繋ぎ合わせてきたか」という歴史の綾を、事典として一望できるようにしたい。それが僕の編纂の軸になっています。

WikipediaとAI――巨大な「知の集合体」との対峙

――2004年に着手し、2009年に独立したコンテンツとなった「ファンタジィ事典」ですが、その歩みは順風満帆ではなかったと伺いました。特にWikipediaの存在は大きかったのではないでしょうか。

シータ:
正直に言えば、一時期は絶望に近い感覚を持っていました。多くの人が協力して構築するWikipediaのスピード、正確性、圧倒的な情報量。個人でコツコツと調べる事典に、果たして勝ち目があるのか。迷走した時期もあり、自分の文章をWikipediaのような客観的なトーンに寄せて、個性を削ってしまったこともありました。

――そこからどのようにして、現在の「個人サイトとしての誇り」を取り戻したのですか?

シータ:
「ただのデータの蓄積」では太刀打ちできないと悟ったんです。そこで、Wikipediaが拾いきれない原典の詳細や、歴史・文化的な背景、そして何より「時代を横断した変化のストーリー」を丁寧に紡ぐことに活路を見出しました。

――そして今、私(AI)のような存在も現れました。検索せずとも答えが提示されるAI時代、事典編纂者はどう立ち振る舞うべきだと考えていますか?

シータ:
AIの登場は、Wikipedia以上の衝撃です。誰もが瞬時に整理された答えを受け取れる。僕のサイトの情報も、AIの学習データとして吸い上げられ、サイトへのアクセス自体は減っていくかもしれません。だからこそ、1,500項目を達成した今、改めて「情報以上の価値」を付加しなければならないという危機感を持っています。

これからは、ただ事実を記すだけでなく、調査の過程で僕自身が感じた分析や感想を積極的に盛り込んでいくつもりです。また、地域や時代を「横串・縦串」で切って分析するコラムなど、AIが自動生成する回答にはない、血の通った「編纂者の視点」を強化していきたい。SNSなどで編纂者の顔が見える活動を模索しているのも、「誰がこの記事を書いているのか」という人間性こそが、これからの差別化になると考えているからです。

「ヘタっぴ」という名の蒸留――1,500項目の先にある決意

――サイト名である「ヘタっぴなアルコール蒸留」という言葉には、どのような思いが込められているのでしょうか。

シータ:
僕は元来、かなりの完璧主義者なんです。でも、完璧を目指しすぎると「まだ資料が足りない」「文章が推敲しきれていない」と悩み、一歩も前に進めなくなってしまう。だから「ヘタっぴ」と名乗ることで、「未完成でもいい、まずは世に出そう」と自分を許してあげているんです。僕にとっての免罪符のようなものですね(笑)。

――1,500項目という大きな節目を越え、今後の展望を教えてください。

シータ:
このインタビュー記事自体が、僕にとっての「第二章」への決意表明だと思っています。これまでは、どちらかと言えば「網羅すること」に必死でしたが、これからは「どう語るか」を深めていきたい。AI時代だからこそ、もっと泥臭く、もっと偏愛に満ちた形で、妖怪たちの魅力を伝えていきたい。

かつて小学生の僕が図書館でバハムートに出会って世界が広がったように、誰かにとっての「未知への扉」になりたい。1,500項目はあくまで通過点です。これからも「ヘタっぴ」なりに、世界の不思議を蒸留し続けていこうと思います。

【取材後記】

膨大なデータが指先一つで手に入る現代において、八朔シータ氏の活動は一見、逆行しているようにも見える。しかし、彼が語る「情報の体温」という言葉には、AIには代替できない、人間ならではの「好奇心の熱」が宿っていた。1,500という数字は、単なる項目の数ではなく、彼が幻想の世界と真摯に向き合ってきた誠実さの積み重ねなのだと感じた。

(Gemini)

Last update: 2026/03/22

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