アドーニス

分 類ギリシア・ローマ神話
名 称 Ἄδωνις 〔adōnis〕(アドーニス)【古代ギリシア語】
容 姿美青年。
特 徴アプロディーテーとペルセポネーに愛され、冥界と地上を行き来する植物神。
出 典アポッロドーロス『ビブリオテーケー』(1~2世紀頃)ほか

植物神は秋に死に、春になって甦る!?

アドーニスはギリシア・ローマ神話に登場する美少年。美と愛の女神アプロディーテーは赤ん坊のアドーニスに恋をして、箱に入れ、「決して中を見ないように」と言いつけて、冥府の女王ペルセポネーに預けた。しかし、ペルセポネーは好奇心に負けて箱を開け、アプロディーテー同様に赤ん坊に恋をした。こうして、ペルセポネーがアドーニスを養育した。アドーニスが成長した頃、アプロディーテーが迎えに来たが、ペルセポネーもアド―ニスを手放したくなくなっていた。そこで女神たちは争いになり、困った神々は裁判の中で、1年の3分の1はアプロディーテーと、3分の1はペルセポネーと、そして残った3分の1はアドーニスの好きな方といるように決めた。結果、アドーニスはアプロディーテーとより多くいることを望んだという。

アドーニスは元々はフェニキアの植物神であったと考えられている。収穫の秋に死んで、春になって甦る植物の死と再生のサイクルを表現した神話である。シュメル・アッカド神話のドゥムジ/タンムーズやヒッタイト神話のテリピヌなどの影響を受けている。

《参考文献》

Last update: 2020/08/17

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