ペルセポネー
分 類 | [ギリシア神話] |
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Περσεφόνη〔Persephonē〕(ペルセポネー)【古代ギリシア語】 Κόρη〔Korē〕(コレー)《娘》【古代ギリシア語】 Proserpina(プロセルピナ)【ラテン語】 | |
容 姿 | 王冠を被った女性。ザクロや松明を持つ。 |
特 徴 | ギリシア神話の冥府の女王。ハーデースの妻。植物の実りの象徴。 |
出 典 | ヘーシオドス『テオゴニアー』(前7世紀)など |
穀物の実りを表現した冥府の女王!?
ペルセポネーはギリシア神話の冥府の女王で、冥府神ハーデースの妻である。ゼウスと豊饒の女神デーメーテールの娘で、ハーデースに見初められて、野原で花を摘んでいるところ、地中の裂け目から現れたハーデースに無理矢理、冥府にさらわれた。デーメーテールは娘を探し、太陽神へ―リオスからハーデースが娘を冥府に攫ったこと、ゼウスがそれを唆したことを知り、激怒した。そして天界を捨てて老婆の姿でエレウシースで降った。デーメーテールが天界に不在になったことで、地上の植物は実らなくなり、収穫物は一切取れなくなった。これに困ったゼウスはハーデースにペルセポネーを天界に戻すように命じ、再び、大地は豊饒と実りを取り戻した。しかし、すでにペルセポネーは冥府でザクロの実を何粒か口にしていた。冥府の食べ物を口にしたら冥府に留まらなければならない掟がある。そこで、ゼウスは食べたザクロの実の分として1年の3分の1は冥府に留まり、残りの3分の1は天界でデーメーテールと暮らせるようにした。ペルセポネーがハーデースの元にいる間は、デーメーテールが嘆き、実りをもたらさない。こうして、季節ができあがった。
ペルセポネーは穀物の種であり、地下に蒔かれ、やがて芽吹くことを表現した神話と解釈される。
しばしば、デーメーテールとペルセポネーは組になって「二柱の女神」として祀られる。デーメーテールとの神話では、《娘》を意味する「コレー」と呼ばれることが多い。デーメーテールが「母」であり、ペルセポネーが「娘」である。
ペルセポネーは無理矢理にハーデースに誘拐されたわけだが、その後、ハーデースの后となった。冥府生活も満更ではないのか、神話の中では、ペルセポネーはハーデースの傍らにいることが多い。また、ハーデースがメンテーというニュムペーに浮気したときには嫉妬心からか激昂し、メンテーを雑草に変えてしまっている。これがミントになったのだという。壺絵などではハーデースの傍らにいる王冠をかぶった女性として描かれることが多い。ザクロや松明を持っている。
ローマ神話ではプロセルピナと同一視される。プロセルピナは春をもたらす農耕の女神としての側面がより強調されている。
《参考文献》
- 『ギリシア・ローマ神話辞典』(著:高津春繁,岩波書店,1960年)
Last update: 2019/01/16