ドゥムジ

分 類メソポタミア神話
名 称 𒀭𒌉𒍣dDUMU.ZID〕(ドゥムジ)【シュメル語】
容 姿
特 徴イナンナの代わりに冥界に幽閉された死と再生の神。
出 典『イナンナの冥界降り』ほか

植物の死と再生を象徴する神!?

ドゥムジは羊飼いだったが、イナンナに愛され、女神の夫の座に納まり、バド・ティビラ市の王となった。

あるとき、イナンナは地上だけでなく、冥界をも支配しようとエレシュキガルの支配する冥界に降りていったが、7つの門をくぐるたびに力を失い、最後には死体となった。イナンナの召使は知恵の神エンキに助力を求め、身代わりを冥界に差し出すことを条件にイナンナを復活させた。イナンナはいろいろな神を当たったが、夫のドゥムジを訪れると、彼がイナンナの玉座に座っていた。これを見て、イナンナは自分の身代わりとしてドゥムジを選択し、ドゥムジを冥府に差し出した。しかし、ドゥムジの姉のゲシュティンアンナが身代わりを買って出たため、1年のうち6か月はドゥムジが冥府に留まり、残りの6か月をゲシュティアンナが留まることになった。

このドゥムジに関わる物語は、植物の死と再生、すなわち、季節の推移を表現した神話とされ、ドゥムジは死と再生の神となった。この神格はタンムーズ、アドニスなど、さまざまな名前で古代オリエント世界に広まった。

《参考文献》

Last update: 2020/04/06

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