2023年5月19日 世界パラダピアン計画

ゴールデンウィークに映画「ドラえもん のび太と空の理想郷(ユートピア)」を観に行った。とても混雑していて、ビックリした。

事前情報で、エヴァのオマージュだという映画評論家のコメントを見て、子供向けのドラえもんでそんなもんが作れるのかな、と疑問を抱きながら、好奇心をそそられながら観に行った。冒頭、サイレンが鳴り響き、使徒襲来のような始まり方に驚いたし、パラダピアの三賢人もMAGIシステムを連想させる。そして、「世界パラダピアン計画」も、「人類補完計画」を彷彿とさせる。確かにエヴァのオマージュが各所に見られた。でも、ちゃんとドラえもんでもあった。

ユートピアは、蓋を開けたらディストピアだったというのは定石の展開で、この映画でも、誰もがパーフェクトになれるというのは、三賢人に無抵抗な画一的な人間になることを指していた。パラダピアンライトを浴びて、洗脳されて、ジャイアンからは乱暴さが、スネ夫からはいじわるさが、しずかちゃんからは強情さがなくなって、穏やかに暮らす。のび太はいち早くそこに違和感を覚える。そして、のび太だけはパラダピアンライトが効かないといういつも通りの特殊能力っぷりを遺憾なく発揮する。そして「ダメなところも含めて、それでいい」という結論を叫ぶ。

脚本が古沢良太氏(最近は「コンフィデンスマンJP」の、と紹介されることが多いが、ボクは「キサラギ」から入ったので、その印象が強い!)なので、伏線回収が半端ない。序盤、ゆっくりで冗長なのは彼の特徴かもしれないけれど、後半はぐいぐいと進んでいき、キレイにバタバタと伏線が回収されていくので、見事! と思いながら楽しんで観ることができた。とても面白かった。