須菩提祖師(シュープーティーズーシー)
分 類 | 中国伝承(西遊記)、道教 |
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須菩提祖師(须菩提祖师) 〔xūpútízǔshī〕(シュイプゥティヅゥシー
)【中国語】 須菩提祖師(しゅぼだいそし)【日本語】 | |
容 姿 | 仙人。 |
特 徴 | 孫悟空の師匠。長寿の妙道、72通りの変化の術、觔斗雲の法などを教えた。 |
出 典 | 『西遊記』(16世紀)ほか |
孫悟空に仙術を教えた師匠!?
須菩提祖師(シュープーティーズーシー)は中国の四大奇書小説『西遊記』(第1回~第2回)に登場する仙人。仙石からうまれた石猿の孫悟空は、あるいとき、不老長寿を求めて仙人を探し、たまたま須菩提祖師に出会って弟子入りした。須菩提は洞窟の中に楼閣を築いて、たくさんの弟子たちと暮らしている。須菩提は、まだ名前を持たなかった石猿に「孫悟空」の名を授けた。また、孫悟空が他の弟子よりも優れていたため、こっそりと長寿の妙道、72通りの変化の術、觔斗雲の法などを教えていった。すなわち、孫悟空を一端の仙人にしたのは、この須菩提であったと言える。ただし、途中、孫悟空の中の悪い性質に気づいた須菩提は孫悟空を破門し、誰に術を習ったかを絶対に口外しないように言い含めた。
なお、仏教では、須菩提といえば、釈迦の十大弟子の一人のスブーティ(सुभूति、subhūti)を指す。スブーティは十大弟子の中でもよく「空」を理解したため、「解空第一」と称された。『西遊記』に登場する須菩提とスブーティが同一人物かどうかは作中では明示されないが、ある種のパロディとして用いられたと考えられる。
《参考文献》
Last update: 2021/08/01