テューポーン

分 類ギリシア・ローマ神話
名 称 Τυφώνtȳphōn〕(テューポーン)【古代ギリシア語】
Τυφώςtȳphōs〕(テューポース)【古代ギリシア語】
Τυφωεύςtyphōeus〕(テュポーエウス)【古代ギリシア語】
容 姿両手が東西の果てに届き、頭が星に擦るほどの巨人。
特 徴大神ゼウスの最大の敵。
出 典ヘーシオドス『テオゴニアー』(前7世紀)など

テューポーンはギリシア神話最大の怪物!?

テューポーンはギリシア・ローマ神話に登場する怪物。テューポーンは身長は星に届くほどの巨人で、両腕を広げると東と西の果てまで届く。腕の先は100本のヘビが生えていて、太腿から下はとぐろを巻いた大蛇になっている。目からは火を吐いている。

ゼウスらオリュムポスの神々は10年間の戦争を制してクロノス率いるティーターン族を倒し、タルタロス(奈落)に封じ込めた。すると、大地の女神ガイアは息子であるクロノスへの仕打ちに腹を立て、復讐のためにタルタロスと交わって怪物ティーポーンを生み出し、オリュムポス山に差し向けた。攻め入ってくる怪物の姿を見て、神々はあまりの怖ろしさに、それぞれ動物に変身してエジプトに逃げてしまった(これがエジプト神話の神々が動物の頭を持つ理由だと古代ギリシア人は説明している)。

ゼウスは単身、テューポーンに立ち向かうが、テューポーンがあまりにも強大で、一度は敗れて、手足の腱を切り取られて洞窟に閉じ込められた。しかし、その後、テューポーンはモイラたちに騙されて「無常の果実」を食べてしまい、力を失う。そこで、ヘルメースアイギパーンがゼウスを救出し、テューポーンは力を取り戻したゼウスによってアイトナ山(エトナ火山)の下敷きにされて倒された。今でもこの火山が火を噴くのはテューポーンが暴れているからだという。

《参考文献》

Last update: 2022/04/24

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