シンネミ・ナッ
分 類 | ミャンマー伝承 |
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ရှင်နှဲမိ 〔ʃɪ̀ɴn̥əmḭ〕(シンネミ)【ミャンマー語】 မနှဲလေး 〔ma̰n̥ɛ́lé〕(マネーレー)【ミャンマー語】 | |
容 姿 | 子供の姿。 |
特 徴 | 母のトウン・バーンラとともに死んで、悪霊になった。子供たちを守護する。 |
出 典 | - |
母とともに亡くなった子供の守護神!?
ミャンマー(ビルマ)は仏教国として知られる一方、今でも根強く土着の精霊信仰が盛んで、さまざまな精霊(ナッ)が信じられている。シンネミは37柱の精霊ナッの1柱、子供の姿をしたナッである。子供の守護神として崇拝される。
彼女は神話では、トウン・バーンラの娘とされ、2歳のときに、母が死んだときに、一緒に死んで、精霊ナッと化した。母親のトウン・バーンラはとても美しく、ピャーのドゥッタバウン王に嫁ぐことになったが、宮廷の他の女王に妬まれ「彼女は、太っているので、宮殿の入口を通り抜けられない」などと王に告げられ、結局、宮廷に立ち入ることができなかった。トウン・バーンラは王が会いに来るのを待ち続け、失意のうちに死んだが、このときに娘も一緒に死んで、死後、母子ともども精霊ナッと化したという。
別のヴァージョンの神話として、トウン・バーンラは、マウン・ティン・デ(後のマハギリ・ナッ)の末の妹という形でシンネミとともに「マハギリ神話」に取り込まれた。マハギリ神話の中に登場するナッたち(ナマードゥ、シュエナベ、トウン・バーンラ)が右手を胸に当てて悲しみを表現する伝統的なポーズなのに対して、シンネミは子供らしく、手を自由にして、喜びの仕草を示している。
《参考文献》
- 『The Thirty-Seven Nats: A Phase of Spirit-Worship prevailing in Burma』(著:Sir Richard Carnac Temple,1906年)
Last update: 2021/09/30