オバタラ
分 類 | ヨルバ神話 |
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Ọbàtálá(オバタラ)【ヨルバ語】 | |
容 姿 | 白いローブを着た神。 |
特 徴 | 人類を創造した。 |
出 典 | - |
オバタラは人類創造の神!?
オバタラは西アフリカのヨルバ族の神話のオリシャ(神)で創造神。最高神オロドゥマレによって原初の海の中に大地を創造する使命を与えられ、カタツムリの殻に砂を入れて、天界(オルン)から地上に降り立った。しかし、ヤシ酒に酔っている間に弟のオドゥドゥワに道具を奪われた。こうして、大地の創造はオドゥドゥワによって成し遂げられた。次いで、オバタラには人類の創造の使命が与えられた。そこで、オバタラは粘土を捏ねて人類の創造を開始した。しかし、あろうことかオバタラは今度もヤシ酒を飲んで酔っ払ってしまった。そして次々と奇形の人類が誕生した。彼は酔いが醒めた後に自らの行為を深く後悔し、断酒することを決断し、もう一度、人類を創造するとともに、すでに生まれていた障害者たちの守護者になることを宣言したという。
オバタラは両性具有、あるいは性別がないと言われている。そのため、年老いた男性の姿で描かれることが多いが、女性として描かれることもある。これはオバタラの創造神としての性質の表れだろう。通常、ヨルバ信仰では女性のオリシャ(イアバ)には雌の動物が捧げられ、男性のオリシャ(ボロス)には雄の動物を捧げる習慣があるが、オバタラへの生贄には雌の動物が捧げられることもある。ただし、オバタラに捧げられる生贄はアフリカマイマイの体液のように白くなければならないとされる。なお、アフリカマイマイは雌雄同体で、オバタラの象徴のひとつでもある。
イフェ王国の創設者!?
ヨルバ神話では、オリシャ(神)はオルドゥマレに命じられ、イルンモレ(精霊)として超人的な能力を備えた人間に転生する。イフェの伝承では、オバタラはイフェ王国の創設者だったという。しかし、オドゥドゥワの勢力によって一時的に王権は簒奪された。しかし、最終的にはオドゥドゥワを殺害して、王権を奪還した。イフェのオバタラ祭では、この王権の変遷が再現されるという。
ヨルバ族は歴史的に奴隷貿易でアメリカに連れていかれたため、南米にはヨルバ神話が色濃く伝わっている。サンテリアではオバタラは最古の白い神(オリシャ・フンフン:Orisha fúnfún)と呼ばれて、光や純粋さを象徴する神として崇拝されている。そこではオバタラは聖母マリアとナザレのイエスと習合している。
《参考文献》
Last update: 2024/06/03