抜け首(ヌケクビ)
分 類 | 日本伝承 |
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抜け首(ヌケクビ)【日本語】 | |
容 姿 | 首だけ。 |
特 徴 | 身体から首だけが抜け出し宙を飛ぶ。 |
出 典 | 『曽呂利物語』(1663年)ほか |
首が抜けて空を飛び回る!?
抜け首(ヌケクビ)は日本に伝わる妖怪。普段は普通に人間として暮らしているが、夜になると首が抜けて飛び回る。血を吸うとも言われる。首だけ飛び回っている間に、身体を動かしてしまうと元に戻れなくなる。轆轤首(ロクロクビ)の原型とされる。
江戸時代の奇談集『曽呂利物語』(1663年)には「女の妄念迷ひ歩く事」という話があり、夜、女の生霊が首だけになって徘徊する。女の生首が空から舞い降りるのを目撃した男が斬りつけると、首は逃げていき、ある家まで追い詰めた。すると、家の中にいた女が目を覚まして、「男に斬りつけられて逃げる夢を見た」と語る。女の生霊が生首の形になって外を飛び回ったという物語である。
このように、魂が身体から抜け出してしまうことを、江戸時代には「離魂病」とか「カゲワズライ」などと呼んで、病気の一種と解釈していた時代もあった。現代で言うと「幽体離脱」みたいなものかもしれない。
ちなみに、東南アジアには上半身が分離して飛び回る妖怪がたくさん知られている。フィリピンではマナナンガル、マレーシアにはペナンガランなどがいる。
《参考文献》
- 『Truth In Fantasy 事典シリーズ 2 幻想動物事典』(著:草野巧,画:シブヤユウジ,新紀元社,1997年)
Last update: 2020/04/18