靈感大王(リィンガンダイワァン)

分 類中国伝承
名 称 靈感大王(灵感大王)〔línggăndàiwáng〕(リィンガンダイワァン)【中国語】
霊感大王(レイカンダイオウ)【日本語】
容 姿身体中に鱗がある巨大な怪物。人間の手足を持った巨大な魚。
特 徴通天河の主として君臨。雨を降らせる代わりに生贄を要求していた。
出 典『西遊記』(16世紀)ほか

通天河の主、その正体は……金魚!?

靈感大王(リィンガンダイワァン)は『西遊記』に登場する妖怪で、通天河の主として君臨していた。雨や雪を降らせることができ、さらには河の水を凍らせることもできた。身体中に鱗のある巨大な怪物で、手から落ちた1枚の鱗の大きさがお盆くらいあったという。絵に描かれるときには鰭(ひれ)や尾が人間の手足になっていることもある。

三蔵法師一行が通天河にやってきたとき、あまりに幅の広い河で対岸が見えないほどで、どうやって渡ろうか思案していると、音楽が聞えてきた。様子を見ていると、どうやら生きている人間のお葬式をやっている。靈感大王という怪物が靈感大王廟に棲んでいて、雨を降らせる代わりに、子供を生け贄として要求していたのだ。そして、次の生け贄は、陳の家の関保という男の子と一秤金という女の子なのだった。孫悟空はたちまち関保に化け、猪八戒を一秤金に化けさせると、子供たちの身代わりとなって靈感大王のもとへと向かった。靈感大王は食べようとした子供たちが妖怪になって攻撃してくるのでビックリ。慌てて通天河へと逃げてしまった。

靈感大王はどうやって報復しようか考えた。すると魚たちが通天河を凍らせるというアイディアを出したので、靈感大王は早速、通天河を凍らせた。そして魚たちが通行人に化けて氷の上を渡ってみせた。三蔵法師一行はそれを見て、自分たちも河を歩いて渡ろうとするが、これは霊感大王の思う壷だ。渡っている途中で氷が割れ、一行は水中へと引き込まれてしまった。猪八戒と沙悟浄は元水軍、白馬は竜王の息子なので自力で脱出できたが、三蔵法師は靈感大王に捕らわれてしまった。孫悟空たちが必死の戦いを挑むが、靈感大王は水中にある屋敷の扉をガンと閉ざして外に出てこない。そこで孫悟空は観音菩薩さまのところに助言を求めにいく。観音菩薩さまが通天河に竹籠を差し入れてするすると引き上げると、籠の中には金魚が入っていた。何と靈感大王の正体は観音菩薩さまが蓮池で飼っていたペットの金魚だったのだ。毎日、菩薩さまの説法を聞いているうちに、神通力を得て妖怪になったのだというから、何ともハタ迷惑な話である。

靈感大王がいなくなると、もともと通天河の主だったという大亀が出てきて、靈感大王を追い払ってくれたお礼として三蔵一行を対岸まで運んでくれたため、一行は無事に通天河を渡ることができたのだった。

《参考文献》

Last update: 2011/05/08

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