イエス・キリスト
分 類 | ユダヤ・キリスト教 |
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ישוע המשיח 〔Yēšúa Ha-Mašīaḥ〕(イェーシュア・ハ=マシーアハ)《油を注がれた者・イエス》【古代ヘブライ語】 Ίησοῦς Χριστός 〔Iēsoûs Khrīstós〕()《》【】 | |
容 姿 | 髪の長い髭をはやした男性。 |
特 徴 | 救世主として奇蹟を起こし、十字架に磔にされて処刑された後、復活した。 |
出 典 | 「マタイによる福音書」「ルカによる福音書」ほか |
イエス・キリスト、復活する!?
ユダヤ教はヤハウェを唯一神とするが、キリスト教の多くの教派では、ナザレのイエスを神の子としてその神性を認め、父なる神(ヤハウェ)、神の子(キリスト)、聖霊(ホーリー・スピリット)を三位一体として崇拝する。イエスは聖母マリアから生まれ、さまざまな奇蹟を起こした後、ユダヤ人の反感を買って十字架に磔にされ、処刑されたが、その三日後に復活し、その後、昇天したとされる。
イエスの誕生
イエスは大工のヨセフとマリアの間に誕生した。このとき、マリアは処女懐胎し、イエスの誕生を天使ガブリエルが告知に来たとされる(受胎告知)。マリアは聖霊によって身籠ったとされる。星によって救世主の誕生を知った三博士がイエスを拝みにやってきて、贈り物として黄金、乳香、没薬を授けたとされる。なお、新たにユダヤ人の王となる子(救世主)が誕生したことを恐れたユダヤのヘロデ大王は、ベツレヘムの2歳以下の子供を全て殺害したとされる。ヨセフとマリアはお告げによってこの危機を知り、エジプトに逃れたためにイエスの殺害は免れた。
イエスの幼少期の活躍は聖書外典の「トマスによる福音書」に記述がある。5歳のときに川の水を穴に集めて清めたり、粘土でスズメを造って羽ばたかせたりした。12歳のときにはエルサレムの神殿に行き、そこで学者たちと聖書について議論を戦わせた。
荒野の誘惑
イエスは30歳頃にヨルダン川でヨハネによって洗礼を受け、そして荒野で悪魔の誘惑を受ける。悪魔はイエスが神の子であるならば、石をパンに変えてみろと挑戦してくるが、イエスは「人はパンだけで生きるものではない」と拒む。悪魔は世界中を見せて、私に跪くなら、この世界をあげると誘惑する。イエスは「ただ神にのみ仕える」と言ってこの誘惑も拒む。悪魔はイエスを宮殿のてっぺんに連れて行くと、ここから飛び降りて見せろ、と挑戦する。もしもイエスが神の子なら、神が護ってくれるだろうというわけである。イエスは「神を試みてはならない」と突っぱねる。こうして、イエスは悪魔の誘惑に全て打ち勝った。
イエスの奇蹟
荒野で試練の後、イエスは自らを神の子であり、救世主であると称して、ガラリアの地で宣教を開始し、12人の弟子を選んで十二使徒とした。その後、各地でさまざまな奇蹟を起こす。カナの婚礼では、水瓶の水をワインに変えてみせた。収獲がまるでなかったシモンに豊漁を授けたり、少量のパンと魚を増やして何千人に食べさせたり、湖の上を歩いたりした。てんかんやハンセン病、その他さまざまな病から人々を癒し、盲人の目を見えるようにした。死者ラザロを生き返らせたこともある。
イエスの処刑と復活
しかし、イエスがユダヤ教体制を批判したことから、ユダヤ人指導者たちはイエスを神を冒涜した罪で捕え、ユダヤ人の裁判で死刑を宣告し、ローマ総督府に引き渡した。その後、イエスはゴルゴタの丘で十字架に磔にされて処刑された。しかし、その三日後に復活し、人々の前に姿を現した。それから昇天したとされる。その後、世界の終わりのときに再び地上に降りてきて、人々を天に導き入れると信じられている。
《参考文献》
Last update: 2022/04/13