クスンデ
分 類 | 朝鮮伝承 |
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그슨대 〔geuseundae〕(クスンデ)【朝鮮語】 | |
容 姿 | 子供の姿で接触し、影の姿になって巨大化する。 |
特 徴 | 巨大な影で覆いかぶさって襲ってくる。 |
出 典 | - |
巨大な影が襲い掛かって来る!?
クスンデは暗闇を具現化した朝鮮半島の妖怪の一種。オドゥクシニも暗闇を象徴した妖怪で非常に似た存在とされるが、オドゥクシニが巨大化して驚かせるだけに留めるのに対して、クスンデは命を奪う恐ろしい悪霊として描かれる。
『済州島方言研究』(1985年)では、闇夜に限りなく巨大な姿で現れて、人々に危害を加える残酷な悪霊として掲載されている。また、1993年の「済州新聞」には、実際にクスンデを目撃した人の記事が掲載されていて、目撃者は、クスンデが人々に呪いをかけ、危害を加える悪霊だと語っている。
朝鮮時代に、ある将軍が道を歩いていると、クスンデに遭遇した。いくら剣で切りつけてもクスンデは死なず、どんどん大きくなっていき、最終的には将軍は巨大化したクスンデに殺されてしまったという。
近年では、少年の姿で出没するとも言われている。暗い場所に少年の姿で現れ、近づいていくと影のような姿になって人を驚かせ、影で覆いかぶさって殺そうとしてくる。影自体が人を呑み込むとも言われている。また、大きな姿で足を広げて立っていて、足の下をくぐってしまうと謎の病に苦しめられて死ぬとも言われている。
闇を具現化した妖怪として、オドゥクシニも知られているが、オドゥクシニが恐怖を克服すると消えるのに対して、クスンデの方は松明で明るくして消すとか、生贄を捧げて退散させるなど、物理的な対処法がとられる点で大きく異なるようだ。
なお、済州島にはクスンセと呼ばれる唐笠お化けのような妖怪がいる。名前は非常に似ているが、クスンセとクスンデは無関係である。
《参考文献》
Last update: 2025/04/13