クスンセ
| 分 類 | 朝鮮伝承 |
|---|---|
|
그슨새〔geu-seun-sae〕(クスンセ)《邪悪な霊》【朝鮮語】 | |
| 容 姿 | 頭からすっぽりと蓑笠をかぶった姿の妖怪。近年、傘お化けのように描かれる。 |
| 特 徴 | 済州島の妖怪。人間にとり憑いて自殺させようとする。 |
| 出 典 | 玄容駿『済州島民話』(1976年)など |
韓国の傘お化けは自殺をそそのかす!?
クスンセは韓国の済州(チェジュ)島に伝わる妖怪。蓑笠を頭からすっぽりとかぶったような奇妙な姿をしている。夜に活動する一般的な妖怪とは一線を画し、クスンセは真っ昼間に出没するようだ。空中を羽ばたいて移動し、たった一人でいる人間にとり憑いて自殺させようとする。常に一人でいる人間を狙うのは、とり憑いている最中に誰かに話しかけるとうまくとり憑けないからだとされる。
주젱이(チュジェンイ、屋外に積み上げた農作物を雨風から守るために被せる麦藁で編んだ円錐形の覆い)、あるいは우장(ウジャン、茅などで編んだ雨具)などを頭からすっぽりとかぶったような姿をしているとされる。
玄容駿(ヒョン・ヨンジュン)の『済州島民話』(1976年)には、クスンセの目撃談が登場する。坪垈里(ピョンデリ)という村の農夫が畑を耕して帰る途中、近所の友人の畑に立ち寄った。すると、その友人がウシの手綱を解いて、その紐を自分の首に巻きつけて締めたり緩めたりしている。あまりに不可解なので見守っていると、今度はその手綱を持って木の方向に向かっていく。農夫は大変なことになったと思って、友人のもとへ駆け寄って正気に戻した。友人が言うには、一所懸命畑を耕していると、ウジャンに似た妖怪が空から羽ばたいて飛んできて、自分の首に紐を掛けて、引いたり緩めたりしたのだという。そして、突然、その紐をぐいっと引っ張ってきたのだという。農夫が止めなければ、危うく自殺するところだったというわけだ。
クスンセというのは《邪悪な霊》という意味だが、済州島では邪悪な霊は「鳥(새)」になると信じられた。そのため、鳥のように羽ばたくのかもしれない。近年では、唐傘お化けのような傘の妖怪として描かれることが多い。
クスンセとクスンデ!?
ちなみに済州島には、名前の似たクスンデという妖怪もいる。名前が似ているため、しばしば混同されやすいが、クスンデは暗闇を擬人化した妖怪で、クスンセは蓑笠のような妖怪で、まるで別物である。
《参考文献》
- 『한곡 요괴 도감』(著:고성배,2019年)(韓国語)
Last update: 2026/05/04
