オドゥクシニ

分 類朝鮮伝承
名 称 어둑시니eodugsini〕(オドゥクシニ)【朝鮮語】
容 姿暗闇を具現化した妖怪。
特 徴見上げると巨大化して驚かす。
出 典

見上げれば見上げるほど巨大化する影の妖怪!?

オドゥクシニは暗闇を象徴した朝鮮半島の妖怪である。見上げれば見上げるほどどんどん巨大化して押し潰されてしまうと言われている。ただし、実際には巨大化して驚かせるだけで、人を殺してしまうようなことはないとされている。一方、朝鮮半島にはクスンデと呼ばれる似たような能力を持った悪霊もいて、こちらは最終的には人を殺してしまう恐ろしい悪霊とされる。

なお、見上げれば見上げるほど大きくなるというのは、日本の見越し入道の類いに似ている。見越し入道と同様に、オドゥクシニも地面を見下ろそうと意識すればどんどん小さくなって消えてしまうようだ。あるいは目を逸らしたり、無視したり、意識しないようにしたりすれば消えてしまうと信じられている。

朝鮮語の어둑(オドゥク)は《暗い》という意味で、시니(シニ)は《神位》を意味する신위(シンウィ)から転じた語である。暗闇に対して畏敬の念を表した表現だと考えられている。暗闇は一度、恐れる気持ちが沸き上げると、どんどん大きくなるので、そういう根本的な恐怖を具現化した妖怪だと言える。強い心を持てば、暗闇も怖くないということかもしれない。

なお、オドゥクシニは高麗時代の守護神だなどと説明されることもあるようだが、「シニ」という言葉から連想した後世の後付けのようだ。

《参考文献》

Last update: 2025/04/13

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