鳳凰(フォンホアン、ほうおう)
分 類 | 中国伝承 |
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鳳凰(凤凰)〔fèng-huáng〕(フォンホアン)【中国語】 鳳凰(ホウオウ)【日本語】 | |
容 姿 | 五色絢爛の鳥。さまざまな鳥や獣の特徴を持つ。 |
特 徴 | 四霊のひとつ。偉大な君主が現れると出現する。鳥類の長。 |
出 典 | 『礼記』、『宋書』ほか |
五色の色彩を放つ中国の霊鳥!?
鳳凰(フォンホアン、ほうおう)は古代中国で信じられた瑞獣(めでたい動物)。麒麟、霊亀、応竜とともに四霊のひとつに数えられる。さまざまな鳥や獣が混じった姿の霊鳥で、その姿は書物によって異なる。たとえば、『爾雅』によれば、頭はニワトリ、顎はツバメ、首はヘビ、背中はカメ、尾はサカナ、色は黒、白、赤、青、黄色の五色とされる。『説文解字』では、胴体の前半分はヒシクイ(カモの仲間)、後半分は麟(雌の麒麟)、首はヘビ、尾はサカナ、額はコウノトリ、顎はオシドリやツバメ、紋様は竜、背中はトラ、クチバシはニワトリだと説明された。『宋書』では、身体の前半分はヒシクイ、頭はヘビ、顎はツバメ、背中はカメ、腹はスッポン、首はツル、クチバシはニワトリ、尾はサカナで、クジャクくらいの大きさと説明されている。また、『山海経』では首に「徳」、翼に「義」、背中に「礼」、胸に「仁」、腹に「信」の紋があるとされた。現在の中国では、頭が金鶏、クチバシはオウム、首は竜、胴体の前半分はオシドリ、後半分は麒麟、足はツル、翼はツバメ、尾はクジャクなどと説明される。
鳳凰の姿はさまざまな記述があるが、いずれにしても、クジャクに似て、五色絢爛の色彩を持ち、偉大なる君主が現れるのを待って、この世に出現するとされる。後代にはa href="zhuque.html">朱雀と同一視されることもある。羽蟲(羽を持った獣)の長とされ、鳥類を支配しているとされる。鳳凰は竹の実を食べるとされるが、竹は60~120年に一度しか花をつけず、そのタイミングにしか実はならないので、鳳凰は竹の実がなるまでは何も食べないとされる。また、鳳凰は梧桐(アオギリ)の木にしか止まらないと信じられている。日本では平等院鳳凰堂の屋根にある鳳凰像が有名で、一万円札にもその姿が描かれている。金閣寺の屋上にも同様の鳳凰像がある。
しばしばポイニクス(フェニックス)との類似が指摘され、しばしば「東洋のフェニックス」と呼ばれる。
《参考文献》
- 『Truth In Fantasy 事典シリーズ 2 幻想動物事典』(著:草野巧,画:シブヤユウジ,新紀元社,1997年)
Last update: 2022/04/22