エリュマンティオス・カプロス
分 類 | ギリシア・ローマ神話 |
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Ἐρυμάνθιος κάπρος (エリュマンティオス・カプロス)《エリュマントスの猪》【古代ギリシア語】 | |
容 姿 | 巨大なイノシシ。 |
特 徴 | エリュマントス山に棲み、周辺の農村を襲った。人喰いイノシシ。 |
出 典 | アポッロドーロス『ビブリオテーケー』(1~2世紀頃)ほか |
人喰いイノシシ、英雄に退治される!?
エリュマントスのイノシシはギリシア・ローマ神話に登場する人喰いイノシシ。アルカディア地方のエリュマントス山に棲む獰猛で巨大なイノシシで、プソーピス一帯の田畑や農村を荒らして住民たちに怖れられていた。しばしばアルテミスは人々の不信心を怒って凶暴なイノシシを送り込むが、エリュマントスのイノシシも他の事例と同様、アルテミスがプソーピス市に送り込んだものだと考えられている。
ミュケーナイのエウリュステウス王は、第4の難業として、このイノシシを生け捕りにするようにヘーラクレースに命じた。ヘーラクレースはエリュマントスのイノシシを狩りに出掛けた。エリュマントス山は雪に覆われた標高の高い山で、ヘーラクレースは雪原に罠を仕掛け、イノシシを発見すると大声で叫びながら追い回し、疲れさせて生け捕りにした。
ヘーラクレースがイノシシを担いでミュケーナイの王宮までやってきたが、エウリュステウス王は怯えて青銅の大甕の中に隠れ、そこからイノシシを覗いているシーンは、しばしば壺絵の題材として描かれた。
《参考文献》
- 『ギリシア・ローマ神話辞典』(著:高津春繁,岩波書店,1960年)
Last update: 2021/03/21