アーミル
| 分 類 | アラビア伝承・イスラーム神話 |
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عَّامِرٌ〔ʿāmir〕(アーミル)【アラビア語】 複数形:عُمَّارٌ(ウンマール) | |
| 容 姿 | 姿は見えない。ヘビやネコになって出現。 |
| 特 徴 | 家に棲みつき、家を守護する。 |
| 出 典 | アル・サアーリビー『言葉の神髄』(11世紀頃)など |
アラビアの家憑き妖精!?
アーミルはアラビア伝承に登場する精霊ジンニーの一種。人間の家に棲みついているジンニーを指す。アラビアの学者アル・サアーリビーは『言葉の神髄(フィクフ・アル=ルガ・ワ・スッリ・アル=アラビーヤ)』(11世紀頃)には「もし精霊が人間と一緒に暮らしていれば、彼らはアーミルと呼ばれる」と定義している。
一般的にジンニーは荒廃した場所や地下世界などに棲んでいるが、アーミルは人間の住居に定住している。家の屋根裏や床下、暗い場所などを好むという。基本的には姿を見せることはない。アーミルは善良な存在として、守護霊のように家を災厄から守ってくれるが、同時に気まぐれで、人間の不注意や無礼によって簡単に怒って害を与える存在に変わると恐れられてもいた。そういうときには、家鳴りを引き起こしたり、家畜を病気にしたり、さまざまな悪戯をしたりと、厄介な存在にもなる二面性があった。あまりにも不吉が続く場合には追い払う儀式を執り行う必要があったという。イギリスのブラウニーなどの家憑き妖精のような性質に近いかもしれない。
基本的には、アーミルは目に見えない存在である。しかし、姿を現すときには、しばしばヘビの姿を取る。そのため、アラビアでは、家の中にヘビが現れたときには、いきなり殺すようなことはせず、まずは3回、立ち去るように警告するという。黒いネコの姿になって現れることもあれば、稀に人間の姿で現れることもあるという。
不用意に大きな音を出したり、夜に熱湯を地面に捨てたりすると、アーミルやその子供を傷つけてしまい、報復として病気や災難を招くとされた。また、長期間空けていた部屋や暗い場所に入る際に「神の名において」などと唱えるのは、アーミルを驚かせないようにするためのマナーだとされる。
《参考文献》
Last update: 2026/05/06
