アガシオン
分 類 | ヨーロッパ伝承 |
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agathion(アガシオン)【英語】 | |
容 姿 | 実体のない精霊。小動物や魔物の姿。 |
特 徴 | 使い魔。小瓶や指輪などに封じ込められていて、術者によって召喚されて使役される。 |
出 典 | コラン・ド・プランシー『地獄の辞典』(1863年)ほか |
小瓶や指輪に封じ込められし使い魔!?
しばしば、魔法使いや魔女は、精霊や魔物、小動物を呼び出して使役する。こういった精霊や魔物、小動物は「使い魔(ファミリア)」と呼ばれ、術者とは絶対的な主従関係で結ばれている。魔女の傍らにいる黒猫やフクロウ、ヒキガエルなどを想像するとイメージしやすいかもしれない。
使い魔(ファミリア)は術者に代わって、さまざまな用事を代行してくれる。身の回りの世話や、周囲の偵察、伝言や届け物の運搬などを担ってくれる。稀に、術者に代わって戦闘を繰り広げることもある。
そのような使い魔の中で、小瓶や指輪、護符、魔法陣などに閉じ込めておき、必要なときに召喚して使役する類いの使い魔たちがいて、アガシオンはそういう類いの使い魔である。アラジンの魔法のランプに登場するランプの精(ジンニー)みたいなイメージである。
ちなみに、アガシオンは19世紀の悪魔研究家のコラン・ド・プランシー『地獄の辞典』の中に記載が見られるのみで、その他の古い文献でアガシオンを確認することができない。プランシーが何に基づいてアガシオンを記載したのかは分からないが、現代ファンタジィ作品のアガシオンのイメージは、この『地獄の辞典』に起因するものと考えられる。
Agathion, démon familier qui ne se montre qu’à midi. Il paraît en forme d’homme ou de bête ; quelquefois il se laisse enfermer dans un talisman, dans une bouteille pu dans un anneau magique.
アガシオンは正午にしか姿を現さない使い魔で、人間や動物の姿で現れる。彼は護符や小瓶、魔法の指輪に身を隠している。
(コラン・ド・プランシー『地獄の辞典』より)
「女神転生」シリーズの「デビルサマナー」や「ペルソナ」では、金子一馬氏が小瓶からちょこんと顔を出した青い悪魔が描いていて、広くそのイメージが踏襲されている。
《参考文献》
- 『Truth In Fantasy 事典シリーズ 2 幻想動物事典』(著:草野巧,画:シブヤユウジ,新紀元社,1997年)
- 『Dictionnaire Infernal』(著:J. Collin de Plancy, 1863年)
Last update: 2023/04/12