ファミリア
分 類 | ヨーロッパ伝承 |
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familiar(ファミリア)《使い魔》【英語】 | |
容 姿 | 精霊や小悪魔、小動物などさまざま。 |
特 徴 | 魔女や魔術師に使役される使い魔。 |
出 典 | - |
術師によって使役される使い魔!?
英語でfamiliar(ファミリア)というのは、《親しい仲間》とか《(ある物事に)精通している人》などの意味がある。キリスト教の文脈では、教皇などの身の回りの世話役として用いられることもあるが、「ファンタジィ事典」では、《(魔女などの)使い魔》という意味で立項する。
ファミリアは、魔女や魔術師などが、その命令で使役する精霊や悪魔、動物などの総称として用いられる言葉なので、色々なものがファミリアの中には含まれる。魔女や魔術師がよく使役するものとしては、たとえば、自然の精霊やインプなどの小悪魔、イヌやネコなどの小動物がある。カラスやフクロウなどの鳥類である場合もある。よくファンタジィ作品の中で言及されることが多いものとして、クロネコ、ネズミ、ヒキガエル、トカゲ、コウモリ、クモ、ヘビなどが挙げられる。
基本的には、術者に命じられて使役されているだけで、術者の身の回りの世話や周囲の偵察、伝言や届け物の運搬など、単純な業務しかこなさないのが一般的であるが、稀に、術者に代わって戦闘を繰り広げることもある。ファンタジィ作品の中では、術者に命じられて、大量の虫や爬虫類が襲ってくる事例もある。
なお、ファミリアの一種として、指輪や護符などに閉じ込めておいて、必要に応じて召喚して使役するような使い魔としてアガシオンが知られる。
最近の漫画やアニメでのファミリアのイメージ
「ハリー・ポッター」シリーズでは、魔法使いハリーの相棒はフクロウのヘドウィグで、しばしば手紙や荷物を運ばせている。『魔女の宅急便』では魔女のキキの相棒はクロネコのジジである。キキの魔法でキキとだけ会話しているが、キキの魔法力が弱まると会話ができなくなる。魔法少女の漫画やアニメには、マスコットを伴う場合が多い。たとえば、『魔法使いチャッピー』のドンちゃん(レッサーパンダ)、『魔法のプリンセスミンキーモモ』のシンドブック(イヌ)、モチャー(子ザル)、ピピル(小鳥)などは、ヨーロッパ伝承の魔女とファミリアの関係に影響を受けている可能性がある。また、『美少女戦士セーラームーン』の黒猫のルナや『魔法少女まどか☆マギカ』のキュゥべえなども、広い意味ではファミリアの一種と言えるかもしれない。
《参考文献》
- 『Truth In Fantasy 事典シリーズ 2 幻想動物事典』(著:草野巧,画:シブヤユウジ,新紀元社,1997年)
Last update: 2023/04/12