2024年9月8日 中国の文献を原典で!?

ここのところ、単純に『幻想動物事典』(著:草野巧,新紀元社,1997年)をランダムに開いて、たまたまそこに書いてある妖怪をピックアップしてウェブサイト「ファンタジィ事典」を更新するという作業を定期的にやっている。本日は中国の妖怪「枳首蛇(ジーショウショー)」だったので「中国はあんまり得意じゃないなあ」とかブツブツ呟きながら、更新作業に着手した。

中国の妖怪って、あんまりボクのフィールドではないので、まずは中国語のWikipediaを足掛かりに、そこに載っている原典を手あたり次第に当たって行くスタイルで調査をしてみた。いい時代で、概ね、Wikisourceに中国語の原典が載っている。該当箇所を探して、その部分を蒐集して、翻訳していく。比較的、中国語は漢字なので、意味は取りやすい。そうやって調べていくと、今度はいろんな中国語のウェブサイトが見つかるので、そこから派生して、またそこに記載のある新たな原典を探す。この繰り返しだ。

中国の作品って「こんなに強い英雄がいたんですよ」というエピソードではなくって、「こんなに素晴らしい人格者がいたんですよ」というエピソードが多いので、常々、面白いなあ、と思っている。今回の場合、孫叔敖という人物で、両方に頭のある蛇に遭遇して「ああ、自分はじきに死ぬのだ」と憂いながらも、自分以外の人が万が一、この蛇を目撃して死んでしまうのはよろしくないと、蛇を殺して、地面に埋める。

こうやって、自分の死を前にしながらも他人を思い遣れる孫叔敖は人徳がある。そういう仕上がりの物語になっている。中国らしさ全開でいいなあ、と思う。

そんなわけで、容易に原典に当たられる時代になって、素敵なことだなあと思うよね。