2023年7月12日 SNS中心の文化とテレビ中心の文化

6月22日に「中田敦彦が逃げたのか、松本人志が逃したのか!?」という記事を書いた。あっちゃんの提言動画に対して、世間の反応が大きく二分した。それって、結局、メディアの大きな分断が原因だとボクは感じた。テレビ中心の文化と、SNS中心の文化で、受け取り方、反応が大きく異なった感じがしたのだ。

先日、カジサックとヒカルのYouTubeチャンネルで「泥酔はしご酒」という企画があって、ゲストとしてあっちゃんが呼ばれていて、カジサックはかなり攻めたトークを展開していたが、ボクの感覚は確信に変わった。ヒカルがいい意味でSNS中心の文化の代表者として話していて、カジサックもどちらかと言えば、SNS中心の文化の立場で話をしていて、どちらもあっちゃんにとても好意的な反応を示していたのだ。

実は、あっちゃんの提言動画の後、キングコングの梶原雄太とノンスタイルの石田明の反応は、たくさんいる芸人たちの中で、明らかに異質だった。松ちゃんを批判しているわけではないけれど、あっちゃんのエンタメの理解者としての立ち位置を明確にしていた。そして、それは多分、SNS中心の文化を生きる若者たちの感覚と近かったのではないか。

今回、カジサックは、あっちゃんの提言動画を見て「(うちのチームも)あの動画が出たときに無茶苦茶盛り上がった」「さぁこれ中田どうすんねやろっていうの(を考えるの)が俺は楽しかった。」「すごく面白いなって思ったな」「ワクワクしちゃったのよ。だって誰もやってないから」などと発言した。それにヒカルは「それYouTubeのノリですよ」と指摘されている。でも、カジサックの感覚が、多分、SNS中心の文化を生きている人間の感覚なのだと思う。

それでも、カジサックは芸人でもあるので、あっちゃんの言葉がときに強いと感じるし、後輩の粗品を巻き込んだという風に感じる。その辺は芸人である部分も感覚としては残している。一方のヒカルは、そういう部分がないので、「楽しいネタが来たなくらいの感じで楽しんでいました」「仮に失礼なことだとしても当事者同士の話じゃないですか。僕からすると関係が無いんですよ」という感覚である。これは完全にSNS中心の文化を生きている視聴者の感覚だと思う。

この2人を前にしたとき、吉本の芸人さんたちの反応というのは、やっぱりテレビ中心の文化の中に生きている感じがして、埋まらないギャップを突きつけられたような感じがした。ボクは多分、SNS中心の文化の中で生きているのだと思う。