2023年7月10日 都市伝説を通じて、今、考えていること1

ここのところ、都市伝説について調査している。我が家には以下の本があって、それを下地にウェブサイト「ファンタジィ事典」に落とし込んでいる。

ここには載せていないけれど、2009年以降も、宇佐氏は定期的に本を出し続けていたし、並木氏も未確認生物やUFOの本と合わせて、都市伝説の本を出版し続けていた。山口氏も精力的にネット上でいろいろな情報を収集していて、定期的にいろいろと発信していた。でも、ここ最近は都市伝説と言えば朝里氏という感じ。朝里氏は都市伝説だけでなくて世界の妖怪や怪談、怪異など、幅広く手掛けているんだけど、結構、出版業界の勢力図が様変わりした印象がある。最近は犬も歩けば朝里氏というくらいたくさんの本を出版している。

実は、都市伝説に関して言うならば、ボクは松山氏、宇佐氏の頃のものが、一番、体感としてしっくり来る。並木氏は少し陰謀論寄りな雰囲気があって、「実はこの話の裏には……」みたいなオカルトライターっぽい語り方をするし、山口氏は雑多な感じで、何でもありという印象。そして、今、朝里氏の時代が来たという感覚。おそらく、山口氏の辺りが都市伝説としては転換点で、インターネットができて、SNSが発達して、都市伝説の広がり方が大きく変わったのだと思う。人の口から口へと広まっていく都市伝説は、やっぱり大きなうねりになるまでに時間が掛かって、その間にいろんなヴァージョンが生まれて、その中で面白いものが定着して収斂していく印象がある。伝播していくうちに、いろんな人の視点で揉まれて精度が上がっていく。でも、インターネット以降、オンライン上に拡散されると、その拡散速度はものすごく速くなって、発信者も多くなるので、何となく量産されて、あっという間に消費されていく。ぽっと出たものが、そのままコピペで広がっていくようなチープさもある。まさにクリーピーパスタだ。そういう雑多なものを、山口氏は精力的に拾い集めていた感じがする。そして、今、朝里氏の時代になって、そうやって拡散されたものの中で定着したものを拾い集めている印象がある。