息壤(シーラン、そくじょう)
分 類 | 中国伝承 |
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息壤〔xīrǎng〕(シィロァァン)【中国語】 息壌(そくじょう)【日本語】 | |
容 姿 | 土。 |
特 徴 | 自ら増殖する土。禹によって治水事業に用いられた。 |
出 典 | 『山海経』ほか |
増殖する土、治水事業で大活躍!?
息壤(シーラン/そくじょう)は中国神話に登場する土の怪物(あるいは魔法の土)である。自ら増殖し続ける不思議な土で、黃帝の宝のひとつで、禹によって治水事業に用いられた。
堯(ぎょう)が帝の時代、堯は22年間、洪水に悩まされた。家臣たちは鲧(こん)を推薦し、堯は鲧に治水事業を命じた。鲧は天界に昇って黃帝から息壤を盗み出し、治水事業に乗り出した。土はどんどん増えて堤防となり、洪水が収まるかに見えたが、怒った黃帝が祝融を派遣して鲧を処刑したため、治水事業は途中で失敗したという。
堯の跡を継いだ舜(しゅん)は、鲧の息子の禹(う)に治水事業を命じた。禹は天界に昇ると、黃帝に懇願して息壤を少しだけ譲り受けて、初めて黄河の治水事業に成功を収めた(鲧は低地を高地の土で埋めて治水を試みたが、禹は放水路を作って排水する方法も駆使したとも伝えられている)。舜帝から禅譲される形で禹が帝位を継ぎ、禹は夏王朝を興した。
《参考文献》
- 『Truth In Fantasy 事典シリーズ 2 幻想動物事典』(著:草野巧,画:シブヤユウジ,新紀元社,1997年)
Last update: 2024/07/07