ウィングド・モンキー

分 類近代文学(オズ・シリーズ)
名 称 Winged Monkey(ウィングド・モンキー)《翼のはえたサル》【英語】
翼のはえたサル、空とぶサル、翼ザル【日本語】
容 姿背中に翼をはやしたサル
特 徴金帽子の魔法の呪文で呼び出せば使役できる。
出 典ライマン・フランク・ボーム『オズの魔法使い』(1900年)

金帽子に従う空とぶサル!?

ウィングド・モンキーはライマン・フランク・ボームのオズ・シリーズの1作目『オズの魔法使い』に登場するサルたち。背中に翼をはやしていて、空を飛べる。金帽子に支配されていて、金帽子の持ち主に魔法の呪文で呼び出されると、3回だけ、その持ち主の命令に従わなければならない。この金帽子の使い方は内側に記されている。

So the Wicked Witch took the magic Golden Cap from her cupboard and placed it upon her head. Then she stood upon her left foot and said slowly: "Ep-pe, pep-pe, kak-ke!" Next she stood upon her right foot and said: "Hil-lo, hol-lo, hel-lo!" After this she stood upon both feet and cried in a loud voice: "Ziz-zy, zuz-zy, zik!" Now the charm began to work...

そこで、悪い魔女は戸棚から金帽子を取り出して頭の上にのせた。そして、左足だけで立ち、ゆっくりと言った。「エッペ、ペッペ、カッケ!」 次に右足だけで立って言った。「ヒッロ、ホッロ、ヘッロ!」 その後、両足で立って、大声で叫んだ。「ジッジー、ズッジー、ジック!」 すると魔力が働き始めた……。

(ライマン・フランク・ボーム『オズの魔法使い』より)

西の悪い魔女は金帽子を手に入れると、ウィンキーたちを奴隷にして西の国を支配し、オズと戦ってオズを西の国から追い出した。そして、ドロシーの一行と戦ったときが3回目で、西の悪い魔女に命じられて、ウィングド・モンキーたちはブリキのきこりを岩場に突き落とし、かかしの中の藁を全部、かき出して空の上に吊るし、臆病ライオンをロープでぐるぐる巻きにした。そして、ドロシーを縛り上げると、西の悪い魔女の城に連行した。

空とぶサルはどうして金帽子の奴隷になったのか!?

ウィングド・モンキーたちは、もともとはオズの国の森で自由に暮らしていた。しかし、大昔、ギリキンの国(北の国)にゲイエレットという強力な魔力を持つ姫が住んでいて、彼女の結婚式の日、サルたちは婚約者のクエララを川に落とすいたずらをした。ゲイエレット姫は腹を立て、サルたちの翼を縛って川に落とそうとした。サルたちが必死に許しを乞うたので、ゲイエレット姫は、クエララへの結婚祝いにつくった金帽子の持ち主の命令を3回聞くという条件を突きつけた。サルたちは条件を飲んだ。以降、ウィングド・モンキーたちは金帽子の持ち主の奴隷になる運命となった。

クエララは、ウィングド・モンキーたちがゲイエレット姫の目に触れないように命し、サルたちはギリキンから離れた地で暮らしていた。しかし、時が経って、金帽子は西の悪い魔女の手に渡った。

空とぶサル、再び自由になる!?

ドロシーによって西の悪い魔女が退治されると、金帽子はドロシーのものとなった。ドロシーはウィングド・モンキーの力でエメラルドの都に戻った。また、南の善い魔女のところに向かう途中、トンカチ頭が棲息する危険な崖を越えるときにもウィングド・モンキーの助けを借りている。ただし、ドロシーは自分をカンザスに戻すようにサルたちにお願いしているが、この願いは叶わなかった。ウィングド・モンキーの力はオズの国の中でしか有効ではなかった。

最終的に、金帽子は南の善い魔女グリンダの手に渡った。グリンダはドロシーをカンザスに帰る方法を教えると、金帽子を使って、かかしをエメラルドの都に、ブリキのきこりをウィンキ―の国へ、そして臆病ライオンをクワドリングの古い森に送り返した。そして、グリンダは最後に金帽子をウィングド・モンキーの親分に返してやった。こうして、彼らは再び自由になった。

《参考文献》

Last update: 2021/03/14

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