托塔李天王(トゥオターリー・ティエンワン)
分 類 | 中国伝承、道教 |
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托塔李天王〔tuō tǎ lǐ tiān wáng〕(トゥオタァリィティエンワァン)【中国語】 | |
容 姿 | 甲冑に身を包んだ武将の姿。片手に宝塔を持つ。 |
特 徴 | 伝説の武将・李靖が神格化されたもの。哪吒太子の父親。 |
出 典 | 『西遊記』(16世紀)、『封神演義』(16世紀)ほか |
伝説の将軍・李靖、神格化される!?
托塔李天王(トゥオターリー・ティエンワン)は道教の神。元々は唐の時代の伝説的な将軍・李靖が神格化された民間伝承が、仏教の毘沙門天と結びつき、道教に取り込まれて天帝に仕える軍神になった。毘沙門天の化身とされる。「托塔」とは、釈迦如来より宝塔を授けられたという意味で、手に宝塔を載せた姿で描かれる。
『西遊記』や『封神演義』などに登場し、哪吒太子の父親として描かれる。哪吒太子は生まれてまだ間もない頃に海に入って、東海龍王の宮殿で暴れ回り、甚大な被害を出した。そのため、李靖は息子を叱りつけ、殺そうとした。哪吒太子は自らの身体を切り裂き、肉体を両親に返し、魂だけの姿になった。その後、釈迦如来が蓮の葉や根、実などで肉体を造って蘇生させた。
『西遊記』によれば、哪吒太子は父親に復讐しようとしており、釈迦如来は李靖に宝塔を与え、この宝塔の力で哪吒太子の復讐心を抑えつけているのだという。『封神演義』でも、李靖は、商の紂王を討伐する周の武王と姜子牙を助け、その後、仙人になったとされる。なお、明の時代に成立した『封神演義』は本来、殷・周時代を舞台にした物語だが、唐の時代に活躍したとされる李靖が登場している。
《参考文献》
Last update: 2021/08/01