サンテルモ
分 類 | フィリピン伝承 |
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santelmo(サンテルモ)【フィリピン諸語】 | |
容 姿 | 青白い火の玉、あるいは口に火をくわえた獣の姿。 |
特 徴 | 目の前を転がって、ついて行った人を道に迷わせる。 |
出 典 | - |
夜道を迷わせる青白い火の玉!?
サンテルモはフィリピンの漁師の間に知られる火の精霊。特にサマール島のレイテ湾に出没することで知られる。青い火の玉で、弾みながら転がっていく。口に火をくわえた獣の姿になるときもある。夜、旅人や漁師が人の灯りだと思ってついていくと深い沼や藪に入り込んで迷子になる。そして、疲れるまで歩き続けることになる。ときには眩暈を感じ、ときには気が狂ってしまうという。服を裏返しに着ることで、サンテルモの呪縛から逃れることができる。
元々、海や川などで死んだ霊の魂が火の玉になって出没すると信じられていて、不当な仕打ちをした人間に復讐しようとしているとも、心の平穏を求めて彷徨っているとも言われる。近年では、洗礼を受けずに死んだ子供の魂だと言われることもある。
元々はヨーロッパでよく知られるセントエルモの火と呼ばれる怪現象で、フィリピンにオランダ人が入植してきて、現地の火の玉伝承と結びついて、サンテルモという名前の精霊となった。
《参考文献》
Last update: 2023/06/11